はじめに
これから公務員を目指す方の多くが、一度は気になるテーマだと思います。「国家公務員のほうが難しそう」「市役所は簡単そう」といった漠然としたイメージは持っていても、実際にどれくらいの差があるのか、正確に把握できている人は多くありません。 試験対策サイトを見ても、抽象的な「難易度A」「難易度B」といった表記が並ぶばかりで、具体的にどんな苦労があるのかまでは、なかなか伝わってこないというのが、受験生時代に僕自身が感じていたもどかしさでした。
僕自身、これまでに警察の行政(事務)職員、そして政令指定都市の市役所職員という、2つの異なる公務員試験に、実際に自分の身をもって挑戦し、合格してきました。 それぞれの試験に向けて対策を進める中で、予備校や試験会場、SNSを通じて、他の職種を目指す受験仲間たちと数多く出会い、彼らが語る国家公務員試験や警察官・消防士の受験のリアルな話にも、当事者に近い距離で触れる機会がありました。この記事は、そうした自分自身の体験と、周囲の受験生から直接聞いた話を組み合わせて構成しています。
今回は、自分自身が実際に経験した2つの試験を軸に据えながら、受験仲間から直接聞いた生の声も織り交ぜて、主要な公務員試験12職種を、難易度順にランキング形式で整理していきます。単なる伝聞情報の寄せ集めではなく、「自分の目で見て、自分の耳で聞いた」内容にこだわった記事をお届けします。これから併願先を検討する方にとって、少しでもリアルな判断材料になれば嬉しいです。
難易度ランキングの前提について
ランキングを紹介する前に、一つお断りしておきたいことがあります。
難易度は、倍率・出題科目の専門性・求められる基礎学力の水準という3つの観点から、総合的に判断しています。ただし、年度や自治体、その年の採用予定人数によって、難易度は変動することをご理解ください。あくまで「一般的な傾向」として捉えていただければと思います。
なお、僕自身が実際に受験した警察事務と政令市役所については、当時の体験を交えながら、より具体的にお伝えしていきます。それ以外の職種についても、単なる伝聞ではなく、実際に受験仲間や友人から直接聞いた話をベースに構成していますので、あわせて参考にしていただければと思います。
1位:国家総合職(キャリア官僚コース)
数ある公務員試験の中でも、最も難易度が高いとされているのが国家総合職です。
将来の幹部候補として、政策の企画立案に携わる職種であり、出題科目の専門性・記述量ともに、他の試験とは一線を画します。教養・専門ともに難易度の高い問題が出題され、倍率も高水準で推移することで知られています。
僕自身は受験していませんが、大学時代の友人が国家総合職を目指して勉強していました。彼は法学部出身で、大学1年生の頃から予備校に通い、朝から晩まで図書館にこもって勉強しているような人でした。彼曰く「教養も専門も、量が尋常じゃない。特に専門記述は、単に暗記するだけでは太刀打ちできなくて、自分の頭で論理を組み立てる力が試される」とのことでした。実際に彼が使っていた参考書の分厚さを見せてもらった時、僕自身が受けた警察事務や政令市の試験とは、明らかに次元の違う対策量が必要なのだと痛感したことを覚えています。長期間にわたる本格的な対策が前提となる、別格の試験だと言えるでしょう。
2位:国税専門官
国税専門官も、専門性の高さで知られる試験です。
会計学や法律科目など、専門試験の出題範囲が広く、かつ深い理解が求められます。倍率自体はそこまで極端に高いわけではありませんが、専門科目の対策量が合否を大きく左右するという点で、難易度は高めに位置づけられています。
僕が通っていた予備校の自習室で、よく顔を合わせていた受験生の一人が国税専門官志望でした。彼女は簿記の資格をすでに持っていましたが、それでも「会計学の出題レベルは、簿記の勉強とはまた違う角度からの理解が必要で、最初は面食らった」と話していました。自習室で彼女が広げていた分厚い会計学のテキストを横目に、同じ「公務員試験」という枠組みでも、これほど専門性の方向性が違うのかと、驚かされたことを覚えています。
3位:国家一般職
国家公務員試験の中でも、実務を担う立場として採用されるのが国家一般職です。
総合職ほどのスケールではないものの、全国的な視点から人材を採用する試験であるため、受験者数が多く、一定の倍率が発生しやすい傾向にあります。教養試験・専門試験ともに、バランスよく対策する必要があり、決して簡単な試験ではありません。
予備校の講座で一緒だった受験生の中にも、国家一般職と地方上級を併願している人が何人かいました。彼らと情報交換をしていた際、「国家一般職は出題範囲が広い分、地方上級よりも網羅的な対策が必要」という声をよく聞きました。実際、彼らのスケジュール帳を見せてもらうと、教養・専門それぞれに細かく学習計画が組まれており、併願する場合は、これだけの科目数を同時並行でこなす計画性が求められるのだと、実感を持って理解することができました。
4位:裁判所事務官
裁判所事務官は、法律科目に特化した専門性が求められる試験です。
司法に関わる組織であるという特性上、憲法・民法・刑法といった法律科目の理解度が、合否に直結します。法学部出身者や、法律科目を得意とする受験生にとっては有利ですが、そうでない場合は、専門科目の対策に相応の時間を要すると考えておいたほうがいいでしょう。
僕自身、警察事務の試験対策をしていた時期、法律科目の勉強で行き詰まった際に、裁判所事務官志望の友人に何度か質問をさせてもらったことがあります。彼は「裁判所事務官は、他の試験以上に条文の細かい解釈まで問われる印象がある」と話しており、実際に見せてもらった過去問は、僕が対策していた警察事務の専門試験よりも、明らかに踏み込んだ内容でした。同じ「法律科目」というくくりでも、試験によって求められる深さがここまで違うのかと、驚かされたことを覚えています。
5位:地方上級(道府県庁・政令指定都市)
都道府県庁や政令指定都市の上級職試験は、地方公務員試験の中でも難易度が高い部類に入ります。
教養試験・専門試験・論文試験・面接試験と、選考プロセスが多段階にわたり、総合的な対策力が求められるのが特徴です。募集人数が多い自治体もありますが、その分受験者数も多く、油断はできません。
僕が政令市の試験対策をしていた際、県庁の地方上級試験を併願している受験生と、模試の会場で何度か言葉を交わす機会がありました。彼らは「県庁のほうが出題範囲が広く、専門科目の配点比率も高い」と話しており、実際に見せてもらった問題集は、僕が受けた政令市のSPI形式とはまったく異なる、教養・専門バランス型のオーソドックスな出題形式でした。同じ地方公務員でも、自治体によってここまで試験の性格が違うのかと、あらためて実感させられた出来事です。
6位:政令市役所(僕自身が合格した経験から)
僕自身が実際に合格した経験を持つのが、政令指定都市の市役所試験です。
自治体によってはSPI形式の適性検査を採用しているケースも多く、教養試験・専門試験の対策とは、また異なるアプローチが必要になります。実際に受験してみて感じたのは、求められる基礎学力のレベル自体は決して低くないということです。
対策を始めた当初、僕はSPI形式という言葉から、なんとなく「就活のSPIと同じようなものだろう」と甘く見ていました。しかし実際に過去問に触れてみると、独特の言い回しや、時間配分がシビアな出題形式に、最初はまったく歯が立ちませんでした。「公務員試験=教養・専門型」という思い込みが、かえって対策の遅れにつながっていたというのが、正直な反省点です。
特に経験者採用枠では、社会人としての実務経験や、これまでのキャリアをどう活かせるかという視点も問われるため、筆記対策だけでなく、職務経歴の棚卸しといった準備も欠かせません。面接では、前職での具体的なエピソードを交えながら、行政の仕事にどう活かせるかを説明する必要があり、筆記試験の対策以上に時間をかけて準備したのが、この面接パートでした。政令市という組織の規模の大きさゆえに、扱う業務の幅が広く、面接でも多様な質問が想定されるという点も、対策の難しさにつながっていたと感じています。
7位:特別区(東京23区)
東京23区の特別区職員採用試験も、独自の出題傾向を持つ試験として知られています。
近年はSPI形式や、教養・論文中心の試験区分を選べる仕組みが導入されており、受験生が自分の得意分野に合わせて試験形式を選択できるという特徴があります。都心部という立地から人気が高く、倍率もそれなりに発生しやすい傾向にあります。
政令市の試験勉強をしていた頃、SNSで知り合った特別区志望の受験生と、情報交換をする機会がありました。彼は「23区はどこも人気で、配属先の希望が通りにくいという噂もあるくらい倍率が高い」と話しており、都心部ならではの人気の高さが、試験そのものの難易度以上に、心理的なプレッシャーになっている様子が伝わってきました。
8位:市役所(政令市以外・中核市・一般市)
政令指定都市以外の、中核市や一般市の市役所試験は、地方上級と比べると、出題レベルがやや易しめに設定されていることが多いとされています。
とはいえ、自治体によって難易度の幅は大きく、人気のある都市部の自治体では、倍率が高くなる傾向も見られます。僕の地元の同級生に、中核市の市役所に合格した友人がいますが、彼は「教養試験のレベルは、正直そこまで高くなかった。ただ、面接では地元への愛着や、なぜこの市でなければならないのかを、かなり深く聞かれた」と話していました。「市役所だから簡単」と一括りにせず、志望先ごとの実態を確認しておくことが重要です。
9位:警察官(現場の警察官採用試験)
警察官の採用試験は、筆記試験に加えて、体力試験が課される点が大きな特徴です。
筆記試験のレベル自体は、教養試験中心で、他の試験と比べて極端に難しいわけではありませんが、体力試験という別軸の対策が必要になる分、総合的な負担は決して軽くありません。倍率は自治体や年度によって変動しますが、人気の高い都市部の警察本部では、倍率が高くなる傾向があります。
僕は警察の行政(事務)職として受験しましたが、同じ警察本部の試験会場で、警察官志望の受験生たちとも顔を合わせる機会がありました。彼らの多くは、試験の数ヶ月前から毎朝ランニングをしたり、筋力トレーニングを欠かさなかったりと、筆記試験の勉強と並行して、体力面の準備にもかなりの時間を割いていたのが印象的でした。事務職として受験していた僕には必要のなかった負担であり、**「同じ警察の試験でも、職種によってここまで求められるものが違うのか」**と、あらためて実感させられた出来事です。
10位:警察事務(行政職・僕自身が合格した経験から)
僕自身が最初に合格した試験が、警察の行政(事務)職です。
教養試験と専門試験の両方が課される、比較的オーソドックスな出題形式でしたが、警察という組織の特性上、面接試験では規律や誠実さを重視される傾向が強いと感じました。
体力試験がない分、警察官採用と比べると身体的な負担は少ないものの、面接会場の空気感は、他の自治体の試験とは明らかに違う緊張感がありました。面接官の質問も、「規律を守れるか」「組織の一員としての自覚があるか」といった、組織への適応力を確認するような内容が多かった印象があります。筆記試験対策に加えて、「警察組織の一員としてふさわしい人物か」を意識した受け答えの準備が、合否を分ける大きな要素だったと、今振り返って感じています。決して簡単な試験ではなかったというのが、実際に受験しての率直な感想です。
11位:消防士
消防士の採用試験も、警察官と同様に体力試験が課されるのが大きな特徴です。
筆記試験のレベルは、教養試験中心で対応可能な自治体が多い一方、体力試験の基準は自治体によって差があり、事前の体力づくりが欠かせません。都市部の消防本部では、倍率が高くなる傾向があり、人気職種の一つとして、根強い競争率を保っています。
高校時代の同級生に、消防士として働いている友人がいます。彼に受験当時の話を聞いたところ、「筆記はそこまで苦労しなかったが、体力試験の基準が想像以上に厳しく、腕立て伏せや懸垂の回数で足切りに近い扱いを受けるという噂もあって、直前まで不安だった」と話していました。「体力に自信があるから消防士は楽勝」というイメージだけで臨むと、思わぬところでつまずく可能性があるのだと、彼の話を聞いて感じました。
12位:町村役場(小規模自治体)
小規模な町村役場の採用試験は、他の自治体と比べて、出題レベルが易しめに設定されているケースが多いとされています。
募集人数自体が少ないため、倍率が高くなることもありますが、出題内容そのものの専門性は、都市部の自治体と比べると控えめな傾向にあります。
政令市の面接対策を進めていた頃、同じ予備校で知り合った受験生の一人が、地元の町村役場を第一志望にしていました。彼女は「筆記試験の難易度自体はそこまで高くなかったけれど、面接ではとにかく地元愛を熱く語れるかどうかが重視された」と話していました。「地域によっては地元出身者が有利になるなど、独自の選考基準が存在する場合もある」ため、志望先の情報収集は欠かせません。僕自身が受けた政令市の面接とは違う角度からの質問が多かったという話を聞き、規模の小さい自治体ならではの「距離の近さ」が、選考にも表れているのだろうと感じました。
ランキングを踏まえて、僕自身が感じたこと
こうして12職種を並べてみると、「公務員試験」という大きな括りの中に、これだけ幅広い難易度のバリエーションが存在することが、あらためて実感できるのではないでしょうか。
僕自身が経験した警察事務と政令市役所は、ランキングの中では中位に位置づけていますが、それでもそれぞれに固有の難しさがあり、決して「簡単だった」と言い切れるものではありませんでした。 教養試験のレベルだけを見て「この試験は簡単そうだ」と判断するのではなく、面接試験の傾向、体力試験の有無、専門試験の深さといった、複数の要素を総合的に見て、志望先を判断することが大切だと感じています。
受験仲間から話を聞けば聞くほど、「自分が経験した2つの試験だけが、公務員試験のすべてではない」ということを、あらためて痛感させられました。国家総合職を目指す友人の勉強量、国税専門官志望の受験生が向き合っていた専門科目、消防士を目指した同級生の体力試験への不安。それぞれの立場から見える景色は、想像以上に多様で、同じ「公務員」という言葉の中に、これほど異なる挑戦の形があるのだと、実感を新たにしました。
まとめ:ランキングは目安、最終的には志望先の実態を確認しよう
今回紹介したランキングは、あくまで一般的な傾向と、僕自身の実体験、そして受験仲間から直接聞いた生の声をもとにした目安です。同じ職種であっても、年度や自治体によって難易度は変動しますし、個人の得意・不得意によっても、体感する難しさは大きく異なります。
これから併願先を考える際は、このランキングを一つの参考にしつつ、必ず志望先の募集要項や過去の倍率、出題形式を自分自身で確認するようにしてください。僕自身、警察事務と政令市役所という、性質の異なる2つの試験を実際に経験し、さらに周囲の受験生たちの体験談に耳を傾けてきたからこそ、「難易度は一様ではない」ということを、身をもって実感しています。
焦らず、自分に合った職種・自治体を見極めながら、着実に対策を積み重ねていってください。この記事が、そのための一つの判断材料になれば嬉しいです。周囲の受験生と積極的に情報交換をすることも、ランキング表だけでは分からないリアルな難易度を知るうえで、きっと役立つはずです。一つの情報源に頼りすぎず、複数の視点から情報を集める姿勢を、ぜひ大切にしてみてください。試験本番まで、悔いのない準備を進めていってください。心から応援しています。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


