はじめに

「公務員の給料って実際いくらもらえるの?」
公務員を目指している人や、すでに働いている人であれば、一度は気になったことがあるのではないでしょうか。
ネットで検索すると、
「公務員は給料が高すぎる」
という意見もあれば、
「若いうちは全然稼げない」
という意見もあります。
実際、どちらもある程度は正しいと思います。
僕自身、警察事務と市役所という二つの公務員組織を経験しました。
また、警察事務では給与事務も担当していたため、自分自身だけでなく、さまざまな年代や役職の職員の給与を見る機会がありました。
20代の若手職員から、係長クラス、管理職クラスまで。
給与明細を扱う仕事をしていたからこそ、
「公務員の給料はこういう仕組みで増えていくんだ」
ということをかなりリアルに知ることができました。
僕自身も新卒で公務員になった頃は、正直そこまで給料が高いとは思っていませんでした。
初任給を見て、
「あれ、公務員って思ったより少ないな」
と感じたのを覚えています。
一方で、数年働いて給与が少しずつ上がり、ボーナスも安定して支給されるようになると、公務員という仕事の「安定感」を実感するようになりました。
特に民間企業を経験してからは、その違いをより強く感じました。
民間企業では昇給がなかったり、ボーナスがなかったりすることもあります。
業績によって収入が変わることもあります。
その一方で、公務員は基本的に毎年昇給があり、ボーナスも制度として支給されます。
もちろん、全員が高収入になるわけではありません。
若いうちは決して余裕のある給与とは言えませんし、仕事内容や責任に対して給料が見合っていないと感じることもあります。
それでも、
「10年後、20年後の収入をある程度予測できる」
という点は、公務員ならではの大きなメリットだと思います。
この記事では、元公務員であり給与事務を経験した僕が、公務員の給与の仕組みや20代・30代・40代の収入の変化について、実体験を交えながら解説していきます。
これから公務員を目指す人だけでなく、
「今の給料って将来どうなるんだろう」
と感じている現役公務員の方にも参考になれば嬉しいです。
※給与額や手当の内容は、国家公務員・地方公務員、自治体、職種、勤務地、役職などによって異なります。この記事では主に僕自身の経験をもとに紹介しています。
1. 公務員の給与が決まる仕組み(俸給表・給料表と号給)
① 毎年一定額上がっていく「定期昇給」の現実
公務員の給与を理解する上で、まず知っておきたいのが、
「給料表」と「号給」
という仕組みです。
民間企業の場合、会社によって給与制度は大きく異なります。
成果によって昇給額が変わる会社もあれば、ほとんど昇給しない会社もあります。
一方、公務員は基本的に給料表に基づいて給与が決まっています。
職種や役職に応じた「級」があり、その中に細かく「号給」が設定されています。
ざっくり説明すると、
級が役職や職務のレベル
号給がその中での給与の段階
というイメージです。
僕自身、公務員として働いていた頃は、毎年4月になると給与明細を見るのが少し楽しみでした。
なぜなら、多くの場合、定期昇給によって基本給が上がるからです。
年によって差はありますが、僕の場合は何もしなくても毎年4月1日に、
2,000円〜4,000円程度
基本給が上がっていました。
もちろん、昇給額は毎年同じではありません。
人事評価や昇任、給与改定などによって変わることがあります。
それでも、
「基本的に勤続していれば少しずつ給与が上がっていく」
という安心感はありました。
新卒で働き始めた頃は、数千円の昇給なんて大したことないと思っていました。
しかし10年、20年という長いスパンで考えると、この積み重ねはかなり大きいです。
仮に毎年3,000円ずつ基本給が上がった場合、10年間で単純計算すると月給ベースで30,000円程度の差になります。
もちろん実際には昇任や給与改定などもあるため単純計算はできませんが、
「若いうちは低めでも、長く働くことで徐々に給与が上がっていく」
というのが公務員給与の特徴です。
給与事務を担当していた頃、ベテラン職員の給与を見ることがありました。
その金額を見ると、
「長く働くってすごいな」
と感じることがありました。
20代の頃は自分の給与しか見えていませんでしたが、給与事務を担当して初めて、
「公務員は長期的に働くことで収入が安定していく仕事なんだ」
と実感しました。
一方で、この仕組みにはデメリットもあります。
成果を出したからといって、翌年に給与が一気に10万円上がるようなことは基本的にありません。
民間企業の営業職のように、
「今月頑張ったからインセンティブで一気に稼げた」
という世界ではありません。
良く言えば安定。
悪く言えば、頑張っても給与差がつきにくい。
僕自身も、
「自分より仕事をしていないのに年齢が上の人の方が給料が高い」
という状況を何度も見てきました。
給与担当だったので、余計にその現実が見えてしまったのかもしれません。
それでも、毎年少しずつ給与が上がっていく仕組みは、人生設計という意味ではかなり大きなメリットです。
特に結婚や住宅購入、子育てなどを考える人にとって、
「来年の収入がある程度予測できる」
ということは想像以上に安心材料になります。
② 地域手当で「勤務地によって年収が数十万変わる」理由
公務員の給与を見ていると、意外と差が大きいのが地域手当です。
同じ年齢。
同じ級。
同じ号給。
それでも、勤務する地域によって給与が違うことがあります。
これは、勤務地ごとの物価や民間企業の給与水準などを考慮して支給される地域手当があるためです。
特に東京都や都市部では、地方と比較して地域手当の割合が高いケースがあります。
僕自身も給与事務を担当していた際、
「同じくらいの基本給なのに、手当込みだとかなり差があるな」
と感じることがありました。
僕がいた組織では、地域手当だけで月額、
10,000円〜40,000円程度
の差があるケースもありました。
もちろん、勤務先や給与制度によって異なります。
ただ、月に数万円違えば年間ではかなり大きな差になります。
例えば月30,000円の差があれば、単純計算で年間36万円です。
さらにボーナスの算定に影響する場合もあります。
つまり、
「同じ公務員だから同じ給料」
というわけではありません。
僕が公務員を目指していた頃は、
「地方公務員ならどこでも給料は同じようなもの」
と思っていました。
しかし実際に働いて給与制度を見ると、自治体や勤務地によってかなり違いました。
そのため、公務員への転職を考えている人は、試験の難易度や仕事内容だけでなく、
「給与表」
「地域手当」
「ボーナス支給月数」
「昇任制度」
なども確認しておくことをおすすめします。
特に30代以降の転職では、この違いが将来的な年収に大きく影響します。
僕自身も転職活動をする際、給与だけではなく、
「何歳まで働いた場合、どれくらい給与が上がるのか」
という視点で見るようになりました。
新卒であれば初任給だけでもある程度判断できます。
しかし30代以降は、
「今の年収」だけではなく「10年後の年収」
まで見ることが重要だと思います。
③ 基本給だけ見ても意味がない?給与明細で見るべき項目
公務員の給与について調べる際、
「基本給○万円」
という情報だけを見る人も多いと思います。
しかし、実際の給与明細を見ると、それだけでは判断できません。
公務員の場合、基本給以外にもさまざまな手当があります。
例えば、
- 地域手当
- 扶養手当
- 住居手当
- 通勤手当
- 時間外勤務手当
- 管理職手当
- 特殊勤務手当
などです。
この手当によって、実際の月収は大きく変わります。
僕自身、給与事務を担当するまでは、
「基本給がそのまま給料」
くらいに考えていました。
しかし実際には、家族構成や勤務状況によって支給額がかなり変わります。
特に時間外勤務手当は大きいです。
繁忙期の職員になると、
「今月の残業代だけでかなりもらっているな」
というケースもありました。
逆に、残業が少ない部署では基本給と手当だけになります。
つまり、
「公務員の年収○万円」
という平均値だけでは、実態はあまり分かりません。
同じ30代でも、
独身か。
扶養家族がいるか。
都市部勤務か。
残業が多い部署か。
役職があるか。
によって年収は大きく変わります。
給与事務を経験して一番感じたのは、
「公務員の給与は想像以上に個人差がある」
ということでした。
2. 年代別(20代・30代・40代)のリアルな年収推移イメージ
① 20代:手取りの少なさに驚く時期(税金と共済金の控除)
公務員になったばかりの20代。
この時期は、
「思ったより給料が少ない」
と感じる人が多いと思います。
僕自身、新卒で働き始めた頃、初任給の手取りは17万円程度でした。
正直、
「公務員ってもっともらえると思っていた」
というのが本音です。
もちろん当時の自分が世間知らずだった部分もあります。
しかし、額面と手取りの差を見て驚きました。
給与明細を見ると、
税金。
共済組合の掛金。
年金。
さまざまな項目が引かれています。
額面だけを見ると20万円前後あっても、実際に振り込まれる金額を見ると、
「あれ?」
となります。
僕は一人暮らしだったので、生活費を払うとかなりギリギリでした。
家賃。
光熱費。
通信費。
食費。
そこから貯金をしようとすると、自由に使えるお金は思ったほど残りません。
新卒の頃は、
「これで本当に生活できるのか」
と思ったこともあります。
周囲の友人を見ると、民間企業で営業をしている人はインセンティブをもらっていたり、大企業に入った人はボーナスをかなりもらっていたりしました。
それを見ると、
「自分も民間に行けばもっと稼げたのかな」
と思うこともありました。
ただ、公務員の20代には別のメリットがあります。
それは、
「収入が突然なくなる可能性が低い」
ということです。
民間企業では業績によってボーナスが減ることもあります。
会社の業績悪化によって昇給がなくなることもあります。
しかし公務員は制度上、比較的安定しています。
僕も当時はその価値をあまり理解していませんでした。
若いうちは、
「今月いくらもらえるか」
しか見ていなかったからです。
しかし年齢を重ねるにつれて、
「毎月決まった収入が入ること」
がどれだけありがたいかを感じるようになりました。
特に20代は給料が低いと感じやすいですが、毎年少しずつ給与が上がっていくことを考えると、長期的には悪くない仕組みだと思います。
② 20代後半になると少しずつ「公務員の安定感」を感じ始める
20代前半は、
「給料が安い」
という印象が強かった僕ですが、20代後半になるにつれて少しずつ考え方が変わりました。
毎年昇給がある。
ボーナスが安定して支給される。
有給休暇がある。
共済制度がある。
こうしたものを合計すると、単純な月給だけでは比較できないと感じるようになりました。
特にボーナスの存在は大きかったです。
民間企業に転職してから、公務員時代のボーナスがどれだけありがたかったかを実感しました。
民間企業では、
「今年は業績が悪いからボーナスなし」
ということもあり得ます。
実際、僕が経験した民間企業では、昇給やボーナスがない環境もありました。
その時に初めて、
「公務員の給与って、派手ではないけどかなり安定していたんだな」
と思いました。
20代のうちは、民間企業の高収入と比較すると見劣りするかもしれません。
しかし、
「平均的な収入を安定してもらい続ける」
という点では、公務員は非常に強い仕事だと思います。
③ 30代:役職がつき給与が安定する時期
30代になると、公務員の給与は少しずつ変化していきます。
基本給が上がるだけでなく、昇任によって役職がつく人も出てきます。
僕自身も昇任試験を受け、比較的早い段階で昇任しました。
昇任すると、
「仕事内容だけでなく、見える景色も変わる」
と感じました。
これまで自分一人の仕事だけを考えていればよかったものが、後輩や部下の仕事を見る立場になることがあります。
責任は増えます。
仕事も増えます。
しかし給与面でも少しずつ変化が出てきます。
基本給が上がれば、残業代の単価にも影響します。
給与事務を担当していた時も、
「係長クラスになると結構もらっているな」
という印象がありました。
もちろん、全員が高収入というわけではありません。
自治体や職種によって差があります。
ただ、20代の頃と比較すると、
「生活に余裕が出てくる人が増える」
のが30代だと思います。
結婚。
住宅購入。
子育て。
こうしたライフイベントが重なる時期でもあります。
公務員の安定した給与は、このタイミングで大きなメリットになります。
僕自身、結婚して子どもができてから、
「毎月決まった日に給与が入る」
ということの重要性を改めて感じました。
独身の頃は、
「もっと稼ぎたい」
という気持ちが強かったです。
しかし家族を持つと、
「安定していること」
の価値が大きくなります。
倒産リスクが比較的低い。
給与の見通しが立つ。
福利厚生が整っている。
こうした点は、家族がいる人にとって非常に大きなメリットだと思います。
④ 30代で感じる「年功序列のメリットとデメリット」
30代になると、公務員の給与制度に対する考え方も変わってきます。
若いうちは、
「年齢が上の人ばかり給料が高い」
と不満に思うことがありました。
実際、僕自身も給与事務を担当していた際、仕事量と給与が必ずしも比例していない現実を見ました。
明らかに仕事をしていない。
周囲からも評判が良くない。
それでも勤続年数が長いことで、自分より高い給与をもらっている。
こういう場面を見ると、
「本当にこれでいいのか?」
と思うこともありました。
僕より何倍も給料をもらっている人が、明らかに仕事をしていないように見えることもありました。
その給与明細を扱う立場だったからこそ、余計にモヤモヤしたのかもしれません。
一方で、自分自身が年齢を重ねると、この制度のメリットも見えてきます。
成果が一時的に出せなくても、急激に給与が下がることは少ない。
年齢とともに生活費が増えても、収入もある程度上がっていく。
長期的に働く人にとっては安心できる制度です。
つまり年功序列は、
若いうちは不満を感じやすい。
年齢を重ねるほどメリットを感じやすい。
そんな制度なのかもしれません。
⑤ 40代:管理職への昇任で年収が大きく変わる可能性
40代になると、管理職への昇任が現実的になってきます。
課長代理。
課長。
部長。
組織によって名称は異なりますが、管理職になることで給与はさらに上がる可能性があります。
給与事務を担当していた頃、管理職クラスの給与を見る機会もありました。
当然ですが、
「この年代になるとかなり違うな」
と感じました。
基本給が高くなる。
役職に応じた手当がつく。
責任も増える。
その結果、年収は大きくなります。
ただし、
「管理職になれば絶対に得」
とは言えません。
管理職になると、責任が一気に増えます。
部下の管理。
トラブル対応。
住民対応。
議会対応。
予算管理。
上司と部下の板挟み。
僕の父親も公務員で管理職を経験しています。
以前、
「責任は増えるのに残業代が出ない」
という話をしていたことがありました。
もちろん管理職手当が支給されます。
しかし、長時間働いた場合、
「残業代が出ていた頃の方が収入が多かった」
というケースもあります。
管理職になると給与が増えることは多いですが、それ以上に責任やストレスが増えることもあります。
そのため、
「年収を上げたいから管理職になる」
という考えだけではなく、
「自分は組織を管理する立場に向いているか」
という視点も重要だと思います。
僕自身、昇任して組織全体を見る機会が増えました。
それは非常に勉強になりました。
一方で、
「責任が増えることの大変さ」
も実感しました。
昇任すれば必ず幸せになるわけではありません。
給与。
やりがい。
責任。
プライベート。
これらを総合的に考える必要があります。
3. 公務員の給与は「高い」のか「安すぎる」のか?
① 大手民間企業と比較すると物足りなく感じることもある
公務員の給与について、
「高すぎる」
という意見を見ることがあります。
一方で、実際に働いている人からすると、
「そこまで高くない」
と感じる人も多いと思います。
これは比較対象によって大きく変わります。
大手企業。
外資系企業。
IT企業。
営業職。
こうした高収入が期待できる業界と比較すると、公務員の給与は決して高いとは言えません。
成果を出せば20代や30代で年収1,000万円を超える世界もあります。
公務員にはそのような爆発力はありません。
僕自身も民間企業で広告運用などを経験しました。
民間企業には、
「成果を出せば給料を上げられる可能性がある」
という魅力があります。
公務員では、自分がどれだけ売上を上げても給与が大きく変わることはありません。
そのため、
「若いうちからガンガン稼ぎたい」
というタイプの人には、公務員は物足りない可能性があります。
② 中小企業と比較すると公務員の待遇はかなり安定している
一方で、中小企業と比較すると、公務員の待遇はかなり安定していると感じます。
僕自身、公務員を辞めて民間企業に転職した経験があります。
その時に、
「給与や福利厚生って会社によって本当に違うんだな」
と痛感しました。
民間企業では、
昇給なし。
ボーナスなし。
業績によって会社の将来が不安定。
というケースもあります。
実際、僕が経験した民間企業では、公務員時代と比較して年収が100万円近く変わりました。
もちろん、民間企業すべてがそうではありません。
高収入の企業もたくさんあります。
しかし、
「平均的な企業に入った場合の安定性」
という点では、公務員はかなり強いと思います。
毎年昇給。
安定したボーナス。
充実した休暇制度。
社会的信用。
こうしたものを総合的に考えると、
「給与明細の額面以上の価値がある」
と感じます。
僕自身、一度民間企業を経験したからこそ、公務員の安定性を再認識しました。
公務員の中にいる時は、それが当たり前だと思っていました。
しかし外に出てみると、
「当たり前じゃなかった」
と気づくことがあります。
③ 「仕事内容と給与が見合わない」と感じる瞬間もある
ただし、公務員の給与制度には不満もあります。
僕自身、一番感じたのは、
「仕事量と給与が比例しない」
ということです。
忙しい人。
責任の重い仕事をしている人。
残業をしている人。
一方で、比較的仕事量が少ない人。
同じような給与体系の中で働いています。
特に年功序列の組織では、
「仕事ができる若手より、仕事をしないベテランの方が給料が高い」
ということが起こります。
給与担当をしていた僕にとっては、これはかなり複雑な気持ちでした。
仕事量を知っている。
本人の給与も知っている。
だからこそ、
「この差はなんなんだろう」
と思うこともありました。
成果主義の会社であれば、
成果を出した人が評価されます。
しかし公務員の場合、組織全体の公平性を重視するため、個人差を大きくつけにくい側面があります。
この点は、
安定性を求める人にはメリット。
成果を正当に評価されたい人にはデメリット。
だと思います。
僕自身、この仕組みに対して違和感を持ったことも、転職を考えるきっかけの一つでした。
④ 給料だけで仕事を選ぶと後悔する
僕は、公務員を経験して、
「給料だけで仕事を選ぶのは危険」
だと思うようになりました。
公務員は確かに安定しています。
しかし、
仕事内容に興味がない。
組織文化が合わない。
人間関係が合わない。
前例踏襲が苦手。
こうした場合、給与が安定していても苦しくなります。
僕自身、公務員の安定した給与を捨てて民間企業に転職しました。
周囲から見れば、
「なんでもったいないことをするの?」
と思われたかもしれません。
実際、自分自身も何度も悩みました。
しかし、その時は、
「このまま働き続けることが正解なのか」
という疑問がありました。
その後、民間企業も経験しました。
そして改めて、
「公務員の給与と福利厚生はすごい」
と感じました。
結局、どちらが正解かは人によります。
収入の安定を重視する人。
成果に応じた収入を求める人。
仕事の自由度を求める人。
それぞれ違います。
だからこそ、
「公務員は給料が高いか安いか」
という単純な議論ではなく、
「自分にとってその給与と働き方が合っているか」
で考えるべきだと思います。
4. 給与担当を経験して分かった「公務員のお金」のリアル
① 給与明細を見る仕事は想像以上に責任が重い
給与事務を担当する前は、
「給与計算って数字を入力するだけじゃないの?」
くらいに思っていました。
しかし実際に担当すると、想像以上に責任の大きい仕事でした。
職員一人ひとりの給与。
手当。
残業代。
控除。
これらを正確に処理する必要があります。
一つ間違えれば、職員の生活に直接影響します。
特に月末や給与支給日前は緊張感があります。
給与が間違っていた場合、
「来月修正すればいい」
では済まないこともあります。
そのため、確認作業を何度も行います。
給与担当を経験したことで、
「毎月当たり前のように給料が振り込まれることは、実は誰かが細かく確認しているからなんだ」
と感じました。
そして、他の職員の給与を見ることで、年齢や役職による給与の違いもリアルに知ることができました。
② 給与が高い人ほど「楽な仕事をしている」とは限らない
給与明細を見る仕事をしていると、
「この人はこんなに給料をもらっているんだ」
と感じることがあります。
しかし、高い給与をもらっている人が楽をしているとは限りません。
管理職になると、
部下のトラブル。
組織の問題。
住民対応。
議会対応。
あらゆる責任を背負うことになります。
僕自身も昇任してから、
「上の立場になるほど楽になるわけではない」
と感じました。
むしろ、違う種類のストレスが増えます。
若手の頃は自分の仕事を終わらせればよかった。
しかし役職がつくと、
「自分が終われば終わり」
ではありません。
部下が困っていれば対応する。
ミスがあればフォローする。
上司から指示が来れば対応する。
給与が高いということは、それだけ責任を負っている場合もあります。
そのため、
「給料だけ見て羨ましい」
と思うのではなく、
「その人がどんな責任を負っているのか」
も見る必要があると思います。
③ 公務員は「年収」より生涯賃金で考えると強い
公務員の給与を考える時、
単年度の年収だけを見ると判断を誤る可能性があります。
例えば20代。
民間企業の営業職の方が年収が高いこともあります。
しかし、その会社が40代、50代まで安定して働けるとは限りません。
一方、公務員は、
20代はそこまで高くない。
30代で徐々に上がる。
40代以降も安定している。
という傾向があります。
つまり、
「短期間で大きく稼ぐ仕事」ではなく「長期間安定して稼ぐ仕事」
という考え方が近いと思います。
僕自身、若い頃は年収だけを見ていました。
しかし年齢を重ねるにつれて、
住宅ローン。
教育費。
老後資金。
こうしたことを考えるようになりました。
すると、
「毎年ある程度予測できる収入」
の価値が大きく見えてきます。
特に家族がいる場合、この安定感は非常に大きいです。
5. 公務員の給与を最大化するために知っておきたいこと
① 昇任試験を受けるかどうかで生涯年収は変わる
公務員として長く働く場合、
「昇任するかどうか」
は収入に大きく影響します。
昇任すれば責任は増えます。
しかし給与表上の級が上がれば、基本給も変わります。
その結果、
ボーナス。
残業代。
退職金。
などにも影響する可能性があります。
僕自身、昇任試験を受けました。
理由の一つは、
「組織全体がどう動いているのか知りたかった」
からです。
もちろん給与面のメリットもありました。
しかし、それ以上に、
「より上の立場の仕事を経験したい」
という気持ちがありました。
昇任すると仕事は楽になるどころか増える場合があります。
そのため、
「給料を上げたいから絶対に昇任すべき」
とは言いません。
ただ、
「長く公務員として働くなら、一度は昇任後の給与や仕事内容を調べてみる」
ことはおすすめします。
自分がどこまで昇任したいのか。
どの程度の責任なら許容できるのか。
それを考えることで、キャリアの方向性が見えてきます。
② 手当を正しく理解することも重要
給与担当を経験して感じたのは、
「意外と自分が受けられる手当を詳しく知らない人が多い」
ということです。
住居手当。
扶養手当。
通勤手当。
時間外勤務手当。
特殊勤務手当。
これらは条件によって支給されます。
制度を知らなければ、
「本来受けられる手当を理解していない」
ということもあります。
もちろん、不正に手当を受けることは絶対にいけません。
しかし、自分が受給対象になる制度を正しく理解することは重要です。
特に結婚。
出産。
住宅購入。
異動。
など、ライフスタイルが変わった時には給与制度を確認することをおすすめします。
③ 転職を考える場合は「今の年収」だけで比較しない
僕自身、公務員から民間企業へ転職した経験があります。
そのため、転職する際に給与比較の難しさを感じました。
例えば、
民間企業の提示年収400万円。
公務員の年収400万円。
数字だけ見ると同じです。
しかし、
ボーナス。
昇給。
退職金。
福利厚生。
将来の給与。
これらを考えると実際には大きな差が出る可能性があります。
僕自身、民間企業に転職してから、
「公務員時代の給与ってかなり安定していたんだな」
と感じました。
転職する際は、
「初年度の年収」
だけを見るのではなく、
「5年後、10年後にどうなっているか」
を見ることをおすすめします。
特に30代以降は、この視点が重要です。
6. 僕自身が公務員の給与について感じたこと
① 若い頃は不満だった
正直に言うと、新卒で公務員になった頃は給与に満足していませんでした。
手取りは17万円程度。
一人暮らし。
生活費。
貯金。
自由に使えるお金は多くありませんでした。
周囲の友人を見ると、
営業で稼いでいる人。
大企業で働いている人。
IT企業で高収入の人。
そういう人もいました。
そのため、
「公務員って本当にコスパがいい仕事なのか?」
と思ったこともあります。
② 給与担当をして価値観が変わった
給与事務を経験してから、考え方が変わりました。
さまざまな職員の給与を見る。
昇任によって給与が変わる。
勤続年数によって基本給が上がる。
地域手当が違う。
手当が違う。
そうしたものを見て、
「公務員は短期的に稼ぐ仕事ではなく、長期的に安定して収入を得る仕事なんだ」
と理解しました。
特に40代、50代の給与を見ると、その安定感を実感します。
もちろん、その分だけ長く働き続ける必要があります。
仕事が合わなければ苦しい。
人間関係が合わなければ辛い。
安定と引き換えに、
「組織に長く所属すること」
が求められる仕事でもあります。
③ 民間企業を経験してさらに考え方が変わった
僕は公務員を辞めて民間企業も経験しました。
そこで、
「公務員の安定は当たり前ではない」
と改めて感じました。
民間企業では、
業績。
会社の方針。
上司。
会社の成長。
こうしたものによって収入や将来が変わります。
もちろん、その分自由度や成長機会があります。
僕自身、広告運用やクリエイティブ制作など、公務員時代には経験できなかった仕事を経験できました。
しかし、給与面では大きな差がありました。
ボーナスがない。
昇給がない。
年収が下がる。
そうした現実を経験すると、
「公務員の給与制度はかなり恵まれていた」
と感じました。
外に出たからこそ、公務員の良さも悪さも見えるようになったと思います。
7. 公務員に向いているのは「安定した収入を長く得たい人」
ここまで公務員の給与について書いてきましたが、僕が思う公務員に向いている人は、
「一気に大金を稼ぎたい人」
ではありません。
むしろ、
「長期間、安定した収入を得たい人」
です。
毎月決まった給与。
毎年の昇給。
安定したボーナス。
福利厚生。
社会的信用。
これらを重視する人には、公務員は非常に向いていると思います。
一方で、
成果を出して一気に稼ぎたい。
若いうちから高収入を目指したい。
自由な働き方をしたい。
という人には物足りないかもしれません。
僕自身、両方の世界を経験しました。
だからこそ、
「どちらが上か」
ではなく、
「自分に合っているか」
が重要だと思っています。
まとめ:派手さはないが、人生設計が立てやすいのが最大の強み
公務員の給与は、決して夢のような高収入ではありません。
若いうちは、
「思ったより少ない」
と感じることもあります。
僕自身も新卒時代はそうでした。
しかし、
毎年の昇給。
安定したボーナス。
地域手当。
各種手当。
昇任による給与アップ。
こうした制度を長期的に見ると、公務員の給与は非常に安定しています。
給与事務を経験したことで、僕はその仕組みをより深く知ることができました。
そして民間企業を経験したことで、
「安定して給与がもらえることは当たり前ではない」
ということも知りました。
もちろん、公務員にもデメリットはあります。
年功序列。
成果が給与に反映されにくい。
仕事量と給与が比例しない。
頑張っても急激に収入が増えるわけではない。
こうした不満を感じることもあります。
僕自身、
「なんでこんなに仕事をしていない人の方が給料が高いんだろう」
と思ったこともあります。
給与担当だったからこそ、その現実を見てモヤモヤすることもありました。
それでも、人生全体で考えると、
「収入の見通しが立つ」
というメリットは非常に大きいです。
僕には妻と子どもがいます。
家族ができてからは特に、
「来月も給与が入る」
「数年後もある程度の収入を予測できる」
という安心感の重要性を感じるようになりました。
倒産のリスクを過度に心配しなくていい。
毎年ある程度昇給がある。
ボーナスが制度として存在する。
住宅ローンなどでも社会的信用を得やすい。
こうした安定は、公務員という仕事の大きな魅力です。
一方で、
「安定しているから絶対に辞めるべきではない」
とも思いません。
僕自身、公務員を辞めた経験があります。
安定を手放してでも、新しい環境に挑戦したいと思った時期がありました。
その経験があったからこそ、今は、
「仕事は給料だけで決めるものではない」
と思っています。
給与。
仕事内容。
人間関係。
働き方。
将来性。
家族との時間。
自分にとって何を優先するのか。
それによって、公務員という仕事が最高の選択になる人もいれば、そうではない人もいます。
ただ一つ言えるのは、
「公務員の給与は短期的な金額だけで判断すると本当の価値が分かりにくい」
ということです。
20代の月収だけを見る。
初任給だけを見る。
年収だけを見る。
それだけではなく、
10年後。
20年後。
退職まで働いた場合。
という長期的な視点で考えることが大切です。
これから公務員を目指す人は、ぜひ仕事内容だけでなく給与制度も確認してみてください。
そして現役公務員の方は、一度自分の給与明細をじっくり見てみるのもおすすめです。
自分がどんな手当を受けているのか。
基本給がどのように上がっているのか。
今後どのようなキャリアを歩むのか。
それを知るだけでも、仕事に対する見方が少し変わるかもしれません。
僕自身、公務員として働き、給与事務を経験し、民間企業にも転職しました。
その経験を通して思うのは、
「安定した給与を長期間得られることは、それだけで大きな価値がある」
ということです。
派手に稼げる仕事ではないかもしれません。
しかし、人生設計を立てやすく、家族との将来を考えやすい。
それが、公務員という仕事の給与面における最大の強みだと、僕は今でも思っています。


