はじめに
僕は新卒で公務員になり、その後民間企業への転職を経験し、再び公務員に戻りました。
一般的には、
「公務員は民間企業に転職しにくい」
「公務員を辞めたら潰しが効かない」
と言われることがあります。
実際、僕自身も公務員として働いていた頃は、その言葉を何度も聞きました。
周囲を見ても、新卒からずっと公務員として働いている人が多く、民間企業へ転職する人は決して多くありませんでした。
そのため、僕自身も退職を考え始めた頃は不安でした。
「自分に民間企業で通用するスキルなんてあるのか」
「営業経験もないし、売上を作った経験もない」
「公務員の仕事しか知らない自分を採用してくれる会社があるのか」
そんなことを考えていました。
特に僕の場合、担当していた仕事の多くは事務系でした。
給与計算、旅費、契約、会計処理、落とし物の管理など、一つひとつは公務員の組織では重要な仕事です。
しかし、それを民間企業の採用担当者に説明したとき、
「それって民間企業でも役に立つの?」
と思われるのではないかという不安がありました。
実際に転職活動を始める前は、自分には特別なスキルがないと思っていました。
プログラミングができるわけでもありません。
営業で何千万円の売上を作った経験があるわけでもありません。
マーケティングの専門家でもありませんでした。
しかし、実際に転職活動をしてみると、自分が思っていたほど公務員経験は不利ではありませんでした。
むしろ、公務員として当たり前だと思っていた経験を言語化することで、民間企業の面接でも評価されることがありました。
例えば、
「400人規模の給与事務を担当していた経験」
「複雑な制度を理解し、ミスなく処理していた経験」
「多額の予算や契約を扱っていた経験」
「上司や他部署、外部の関係者と調整していた経験」
こうした経験は、自分では当たり前すぎて強みだと思っていませんでした。
しかし、転職活動を通して初めて、
「公務員として普通にやってきたことにも価値がある」
と気づきました。
この記事では、実際に公務員から民間企業への転職を経験した僕が、
- なぜ公務員は転職で不利だと言われるのか
- 民間企業で評価されやすい公務員の強み
- 自分の経験をどう転職活動で伝えるか
- 在職中に準備しておくべきこと
- 転職してから感じた公務員経験の価値
について、できるだけ実体験を中心にお伝えします。
今、
「公務員を辞めたいけど、民間企業で通用するか不安」
と思っている方の参考になれば嬉しいです。
なぜ「公務員は転職で不利」と言われてしまうのか?
「営利目的の経験がない」と思われる懸念
公務員が転職で不利だと言われる大きな理由の一つが、
「売上を作った経験がない」
と思われやすいことです。
民間企業では、特に営業職やマーケティング職の場合、
「年間売上〇〇円」
「前年比〇%達成」
「新規顧客〇社獲得」
といった数字で実績を説明できます。
一方、公務員の場合は利益を追求する仕事ではありません。
そのため、
「あなたは会社にどれだけ利益をもたらしましたか?」
という民間企業的な視点で考えると、自分の経験を説明しにくいと感じることがあります。
僕自身もここにはかなり苦労しました。
公務員時代の面接では、
「どんな住民サービスに携わりましたか」
「どのような行政課題に取り組みましたか」
といった質問が中心でした。
しかし民間企業の面接では、
「何ができるの?」
「どんな成果を出したの?」
という聞かれ方をすることがあります。
最初は戸惑いました。
正直、
「成果って何だろう?」
と思っていました。
給与事務をしていたとしても、売上を作っているわけではありません。
旅費を処理していたとしても、会社の利益を直接増やしているわけではありません。
しかし、ここで考え方を変える必要がありました。
民間企業の面接で重要なのは、必ずしも売上実績だけではありません。
例えば僕の場合、
400人規模の給与を担当していた
という経験がありました。
給与は少しでも間違えれば、職員から問い合わせがあります。
残業代、扶養手当、通勤手当、住居手当など、人によって条件が異なります。
しかも給与は毎月必ず支払わなければなりません。
「忙しいから来月に回す」ということができない仕事です。
この経験をただ、
「給与計算をしていました」
と伝えるだけでは弱いです。
しかし、
「約400人分の給与事務を担当し、毎月決められた期限の中で正確に処理していました」
と伝えると印象が変わります。
さらに、
「制度変更があった際には規定を確認し、関係者に説明しながら運用していました」
と伝えることもできます。
つまり、
公務員の仕事が評価されないのではなく、経験の伝え方が民間企業向けになっていないことが多い
のだと思います。
僕も転職活動を始めた頃は、
「公務員なので営業経験はありません」
「マーケティング経験はありません」
と、自分にないものばかり考えていました。
しかし途中から、
「自分は何をしてきたのか」
を整理するようになりました。
すると、意外と経験はありました。
多人数の給与管理。
契約事務。
予算管理。
上司や他部署との調整。
制度の確認。
住民や外部関係者への対応。
文書作成。
スケジュール管理。
どれも自分にとっては日常業務でした。
しかし、日常業務だからこそ、
「当たり前すぎて強みだと認識していなかった」
のです。
転職活動をする際は、まず「公務員だから不利」と決めつけないことが大切だと思います。
専門スキルが見えにくい
もう一つ、公務員が転職で不利だと言われる理由があります。
それは、
専門スキルが見えにくいこと
です。
例えば、
エンジニアならプログラミング。
デザイナーならPhotoshopやIllustrator。
マーケターなら広告運用やSEO。
営業なら営業実績。
こうした仕事は、何ができるのか比較的分かりやすいです。
一方、公務員の仕事は、
「総務」
「財政」
「人事」
「住民対応」
など、仕事内容が外部から見えにくいことがあります。
僕自身も公務員時代、
「自分には専門性がない」
と思っていました。
毎日同じような事務作業を繰り返していたからです。
特に給与事務を担当していた頃は、毎月同じサイクルで仕事が進みます。
データを確認する。
変更内容を入力する。
制度を確認する。
支給額をチェックする。
問い合わせに対応する。
月が変われば、また同じことを繰り返します。
当時は、
「こんな仕事を何年続けてもスキルにならないのではないか」
と思っていました。
しかし転職活動をしてみると、意外なことを言われました。
民間企業の面接で、
「毎月決められた業務を正確に続けられる人は貴重ですよ」
と言われたことがあります。
その時は正直、少し驚きました。
僕にとっては当たり前のことだったからです。
しかし民間企業では、
「ルーティン業務を安定して継続できる」
こと自体が評価される場合があります。
毎月同じ仕事をする。
期限を守る。
ミスを減らす。
ルールを守る。
確認を怠らない。
これは簡単そうに見えますが、誰でもできるわけではありません。
特に人数が増えたり、扱う金額が大きくなったりすると、責任も増えます。
僕自身、給与事務を担当していた時は、
「絶対にミスできない」
というプレッシャーがありました。
給与を間違えれば、生活に直接影響します。
職員から問い合わせも来ます。
そのため、確認作業を徹底する必要がありました。
こうした経験は、
正確性
責任感
継続力
期限管理能力
として言い換えることができます。
公務員経験をそのまま職務経歴書に書くのではなく、
「その仕事を通してどんな能力を身につけたのか」
まで考えることが重要です。
実は民間企業から高く評価される「公務員の隠れた強み」
複雑な法令や制度を読み解く力
公務員として働いていると、日常的に法令や規則を確認します。
最初は文章を読むだけでも大変でした。
法律や条例は独特な文章が多く、
「結局どういうこと?」
と思うこともあります。
僕も新人の頃は、規則を読んでも理解できませんでした。
先輩に聞いて、
「ここはこういう意味」
「この場合はこう処理する」
と教えてもらいながら仕事を覚えました。
しかし数年続けると、少しずつ文章の読み方が変わってきます。
まず原則を確認する。
例外規定を見る。
附則を確認する。
通知や過去の運用を調べる。
分からなければ担当部署に問い合わせる。
こうした作業を自然にするようになります。
これは民間企業に転職してからも役に立ちました。
民間企業でも、
契約書。
社内規程。
法律。
広告表現のルール。
取引先との契約条件。
など、文章を正確に読む必要がある場面があります。
僕は民間企業に転職した際、公務員時代に身につけた、
「分からない文章をそのままにしない」
という癖が役に立ったと感じています。
公務員の仕事では、
「なんとなくこうだと思いました」
では済まないことがあります。
根拠を確認する必要があります。
そのため、
「どこに書いてあるのか」
「前例はどうなっているのか」
「正式なルールは何か」
を確認する習慣がつきます。
これは業界が変わっても役に立つ能力だと思います。
多方面との調整力
公務員の仕事は、一人で完結するものが意外と少ないです。
上司。
同僚。
他部署。
外部業者。
住民。
関係機関。
場合によっては議会関係者。
それぞれ立場が違います。
当然、考え方も違います。
自分としては、
「この方法が一番効率的だ」
と思っていても、相手には別の事情があります。
例えば給与事務でも、
人事担当。
所属の庶務担当。
職員本人。
共済組合。
システム担当。
など、多くの人と関わります。
一人だけで勝手に決めることはできません。
僕自身、若い頃は調整が苦手でした。
人にお願いするのが苦手だったからです。
電話も得意ではありませんでした。
しかし仕事をしていると、
「自分一人で抱えていても何も進まない」
ということに気づきます。
必要な情報は聞く。
分からないことは確認する。
期限があるものは催促する。
相手に伝わるように説明する。
こうしたことを繰り返しているうちに、少しずつできるようになりました。
民間企業に転職してからも、この経験は役立ちました。
特に民間企業ではスピード感が求められることがあります。
自分の仕事だけをしていても進みません。
デザイナー。
営業。
広告担当。
取引先。
上司。
それぞれと連携する必要があります。
そこで感じたのは、
公務員時代に身につけた調整力は、思っていた以上に汎用性が高い
ということです。
「調整」という言葉は少し地味ですが、仕事では非常に重要な能力だと思います。
正確に仕事を進める力
僕が公務員経験の中で、最も民間でも役に立ったと思うのが、
正確性
です。
公務員の仕事は、ミスが許されないものが多くあります。
特にお金を扱う仕事では顕著です。
給与。
旅費。
契約。
予算。
これらを間違えれば、組織全体に影響します。
僕は給与担当だったので、
「一人のミスが400人に影響する可能性がある」
という感覚で仕事をしていました。
もちろん、人間なのでミスを完全にゼロにすることは難しいです。
だからこそ、
チェックリストを作る。
ダブルチェックをする。
過去のデータと比較する。
異常値を確認する。
という仕組みを作る必要があります。
民間企業に転職してからも、この習慣はそのまま使えました。
広告運用や事務作業でも、
金額。
日付。
URL。
設定。
など、一つ間違えれば問題になります。
そのため、
「作業が終わったら確認する」
という公務員時代の習慣は非常に役に立ちました。
民間企業ではスピードが重視されることもあります。
しかし、スピードだけでは仕事は成立しません。
速くてもミスが多ければ、修正に時間がかかります。
その意味で、
速さと正確さの両方を意識できること
は大きな強みだと思います。
僕が転職活動で最初につまずいたこと
自分の仕事をうまく説明できなかった
公務員から転職する際、最初に苦労したのは職務経歴書でした。
仕事内容を書こうとしても、
「給与事務を担当」
「旅費事務を担当」
「契約事務を担当」
としか書けません。
これでは、自分でも魅力的に見えませんでした。
そこで考え方を変えました。
例えば、
「給与事務を担当」
ではなく、
「約400名の給与関連事務を担当し、期限内に正確な支給処理を行った」
と書く。
さらに、
「制度変更や個別事情に対応するため、規程を確認しながら関係者との調整を行った」
と具体的にする。
これだけでも仕事内容が伝わりやすくなります。
重要なのは、
「何を担当していたか」だけではなく「どんな規模で、どんな工夫をして、何を身につけたか」
を書くことだと思います。
「公務員だから民間では通用しない」と思い込んでいた
転職活動を始める前は、
「どうせ公務員だから評価されない」
と思っていました。
これは今考えると、自分自身で可能性を狭めていたと思います。
もちろん、公務員経験だけで簡単に転職できるわけではありません。
業界によって求められるスキルは違います。
IT企業に行きたいならITの知識が必要になるかもしれません。
マーケティング職ならマーケティングの経験が求められるかもしれません。
しかし、
「未経験だから絶対に無理」
というわけでもありません。
僕自身、民間企業に転職した際は、それまで専門的にマーケティングを仕事にしていたわけではありませんでした。
それでも、
公務員時代の経験。
自分で勉強したこと。
仕事に対する姿勢。
新しいことを学ぶ意欲。
などを評価してもらい、転職することができました。
転職活動では、
今できること
だけではなく、
これからできるようになりたいこと
も重要です。
公務員が転職活動を成功させるためのステップ
まずは自分の仕事を棚卸しする
転職活動を始めるなら、いきなり求人サイトを見る前に、
これまで何をしてきたのか
を整理することをおすすめします。
僕が実際に考えたのは、
- どんな仕事をしていたか
- 何人規模の仕事だったか
- どんな責任があったか
- どんな問題を解決したか
- どんな人と関わったか
- 何を工夫したか
- 何を褒められたか
ということです。
例えば、
「給与事務」
だけでは強みが分かりません。
しかし、
「約400人分の給与を担当」
「毎月の期限を守る必要がある」
「制度変更に対応」
「問い合わせ対応」
「上司から表彰を受けた」
と整理すると、伝えられることが増えます。
僕の場合、上司から評価され、400人規模の中で数人しか選ばれない表彰を受けた経験がありました。
当時は、
「たまたま評価された」
くらいに思っていました。
しかし転職活動では、
客観的に評価された実績
として使えました。
自分では普通だと思っている経験でも、外から見ると価値があることがあります。
ポータブルスキルを言語化する
転職活動で重要なのが、
ポータブルスキル
です。
これは、業界や職種が変わっても活かせる能力のことです。
例えば、
- コミュニケーション能力
- 調整力
- 文書作成能力
- Excelスキル
- スケジュール管理
- 正確性
- 問題解決能力
- 継続力
などです。
公務員の仕事は専門性がないと言われることがあります。
しかし実際には、こうしたポータブルスキルを日常的に使っています。
僕の場合は、
事務処理能力
と
調整力
を中心に伝えていました。
給与事務では、多くの職員とやり取りします。
契約事務では、業者や関係部署と調整します。
旅費事務では、制度を理解しながら個別案件に対応します。
こうした経験をまとめると、
「複雑なルールを理解し、多くの関係者と調整しながら正確に業務を進める能力」
と表現できます。
これなら、公務員以外の仕事でもイメージしてもらいやすくなります。
在職中にExcelを使いこなせるようにする
公務員から民間企業へ転職する人に、個人的におすすめしたいのがExcelです。
理由は単純で、
どの業界でも使う可能性が高いから
です。
僕自身、公務員時代にExcelをかなり使っていました。
給与データ。
集計。
一覧表。
チェック作業。
関数。
特に、
SUM
IF
COUNTIF
VLOOKUP
XLOOKUP
ピボットテーブル
などは覚えておいて損はありません。
転職してから新しく覚えることもできます。
しかし、
「Excelが使えます」
と言えるだけでも選択肢は広がります。
民間企業に転職した際も、公務員時代にExcelを使っていた経験が役に立ちました。
最初から高度なスキルを身につける必要はないと思います。
まずは、
日常業務を少し効率化できるレベル
を目指すだけでも十分です。
興味がある業界の情報収集をする
転職活動をする際、
「公務員を辞めたい」
だけでは転職先を選びにくいです。
僕自身も最初は、
「とにかく今の環境から離れたい」
という気持ちが強かったです。
しかし、それだけで転職先を選ぶと、
次の会社でも同じような悩みを抱える可能性があります。
そのため、
「自分は何が嫌なのか」
と同時に、
「次はどんな仕事なら続けられそうなのか」
を考える必要があります。
僕の場合、公務員の仕事で感じていた不満の一つが、
意思決定の遅さ
でした。
新しいことを提案しても、
「前例がない」
と言われることがあります。
もちろん、公務員には慎重さが必要な場面もあります。
しかし僕自身は、
もっとスピード感のある仕事を経験してみたい
と思うようになりました。
そこで民間企業の求人を見て、
広告。
マーケティング。
Web。
などに興味を持つようになりました。
転職する前から、
YouTubeを見る。
本を読む。
実際にツールを触ってみる。
など、自分なりに情報収集をしていました。
転職したい業界が決まっていない人は、いきなり退職する必要はありません。
まずは、
求人を見るだけ
でも十分です。
世の中にどんな仕事があるのか知るだけでも、選択肢が広がります。
公務員から民間企業へ転職して感じたギャップ
スピード感は明らかに違った
実際に民間企業へ転職して感じたのは、
仕事のスピード感がかなり違う
ということです。
公務員では、
確認。
決裁。
前例確認。
関係部署との調整。
と、仕事が進むまでに時間がかかることがあります。
もちろん必要な手続きです。
しかし民間企業では、
「とりあえずやってみよう」
というスピード感を感じる場面がありました。
最初は驚きました。
公務員時代は、
「本当にこれで大丈夫?」
と何度も確認する癖がついていたからです。
民間企業では、まず実行してから改善するという考え方もあります。
どちらが正しいという話ではありません。
組織によって求められるものが違うのだと思います。
ただ、
公務員の常識が民間企業では必ずしも常識ではない
ということは強く感じました。
成果を自分からアピールする必要があった
公務員では、真面目に仕事をしていればある程度評価される環境もあります。
もちろん人事評価はありますが、
民間企業ほど数字を強く求められない職場もあります。
一方、民間企業では、
「何をやったのか」
を自分から説明する必要があります。
最初はこれが苦手でした。
僕は自分の成果をアピールすることが得意ではありません。
しかし、
「頑張りました」
だけでは評価されません。
何をしたのか。
どんな結果になったのか。
どんな工夫をしたのか。
これを説明する必要があります。
転職活動でも同じです。
そのため、公務員のうちから、
自分がやった仕事を記録しておく
ことをおすすめします。
例えば、
- 改善した業務
- 表彰されたこと
- 感謝されたこと
- 担当した規模
- 苦労して解決した問題
などをメモしておくだけでも違います。
数年後に転職活動を始めると、意外と昔の仕事を忘れています。
僕自身も職務経歴書を書く時、
「何してたっけ?」
となりました。
そのため、普段から記録しておくと自己分析が楽になります。
「公務員経験しかない」は弱みではない
僕が転職活動を通して一番感じたのは、
公務員経験しかないこと自体が問題なのではない
ということです。
問題なのは、
その経験を自分で理解していないこと
だと思います。
公務員として働いていると、
毎日同じような仕事をしている感覚になることがあります。
特に数年同じ部署にいると、
「自分は成長していない」
と思うこともあります。
僕自身もそうでした。
しかし改めて振り返ると、
新人の頃にはできなかったことが、いつの間にかできるようになっています。
制度を理解する。
問い合わせに答える。
後輩に説明する。
トラブルに対応する。
期限を管理する。
関係者と調整する。
これらは経験によって身についた能力です。
自分では当たり前になっているだけです。
転職活動では、
当たり前を掘り起こす作業
が必要だと思います。
公務員から転職する前に考えておきたいこと
「辞めたい理由」を明確にする
転職活動を始める前に、
なぜ公務員を辞めたいのか
を考えることは重要です。
例えば、
給料が不満。
人間関係が辛い。
仕事に興味がない。
残業が多い。
組織の文化が合わない。
前例踏襲が嫌。
それぞれ理由が違います。
そして理由によって、次に選ぶ仕事も変わります。
例えば、
「人間関係が嫌」
という理由だけなら、転職しても同じ問題が起こる可能性があります。
一方、
「もっと成果が評価される環境で働きたい」
のであれば、実力主義の会社が合うかもしれません。
僕の場合、
組織のスピード感
や
新しいことに挑戦しにくい環境
に不満を感じていました。
そのため民間企業へ転職した際は、変化の速い仕事を経験したいと思いました。
もちろん実際に働いてみると、民間企業にも大変なことはあります。
しかし、
何が嫌だったのかを理解しておくこと
で、次の選択がしやすくなります。
いきなり辞めずに情報収集する
個人的には、可能であれば、
在職中に転職活動を始める
ことをおすすめします。
理由は単純です。
収入がある状態で転職活動ができるからです。
退職してから仕事を探すと、
「早く仕事を決めなければ」
という焦りが出ます。
すると、
本当は行きたくない会社に入ってしまう可能性もあります。
僕も転職活動をする際は、
求人を見る。
企業研究をする。
履歴書を書く。
面接を受ける。
ということを少しずつ進めました。
最初から、
「絶対に辞める」
と決める必要はありません。
求人を見るだけでもいいと思います。
転職エージェントに相談するのも一つです。
市場価値を知るだけでも、
「自分にはこんな選択肢があるんだ」
と気づくことがあります。
それだけでも気持ちが少し楽になることがあります。
まとめ:公務員という肩書きを「強み」に変えて一歩踏み出そう
公務員から民間企業への転職は、決して簡単なことではありません。
業界によっては専門的なスキルが必要です。
年齢や経験によっては、未経験転職が難しくなることもあります。
そのため、
「誰でも簡単に転職できる」
とは言えません。
しかし、
「公務員だから民間企業では絶対に通用しない」
というのも違うと思います。
僕自身、公務員として働いていた頃は、
毎日のルーティン業務を繰り返しているだけだと思っていました。
給与事務。
旅費事務。
契約事務。
文書作成。
問い合わせ対応。
当時は、
「こんな経験に価値があるのかな」
と思っていました。
しかし民間企業に転職してみると、その経験が役に立つ場面がありました。
正確に仕事をする力。
期限を守る力。
複雑なルールを理解する力。
多くの人と調整する力。
責任を持って仕事を続ける力。
こうした能力は、公務員だけでしか使えないものではありません。
僕が思うに、
公務員の経験を活かせるかどうかは、自分自身がその経験をどう言語化できるか
に大きく左右されます。
「給与担当でした」
だけでは伝わりません。
しかし、
「400人規模の給与事務を担当し、正確性と期限管理を徹底していました」
と伝えれば印象は変わります。
「毎日同じ仕事をしていました」
ではなく、
「安定したルーティン業務を継続し、ミスを防ぐ仕組みを意識していました」
と考えることもできます。
僕自身も、
「自分には何もない」
と思っていました。
しかし転職活動を通して、自分の経験を振り返ることで、
「意外とやってきたことはある」
と気づきました。
もし今、
「公務員を辞めたいけど、民間企業で通用するか不安」
と思っているなら、まずは退職届を書く必要はありません。
最初にやるべきことは、
自分の経験を棚卸しすること
です。
そして、
自分が当たり前にやってきたことを、一度外から見直してみること
です。
あなたが何気なくやっている仕事の中にも、民間企業で評価される経験があるかもしれません。
僕自身、公務員時代は、
「毎日同じ作業の繰り返しで、自分には強みなんてない」
と思っていました。
しかし見方を変えれば、
毎日同じ業務を続けられる。
期限を守れる。
ミスなく処理できる。
責任を持って仕事をする。
これも立派な強みです。
転職活動は、自分の価値を改めて考える機会でもあります。
いきなり大きな決断をする必要はありません。
求人を見る。
職務経歴書を書いてみる。
Excelを勉強する。
興味のある業界について調べる。
まずは小さな一歩から始めてみてください。
公務員として過ごした時間は、決して無駄にはなりません。
大切なのは、
「公務員しかやってこなかった」
と考えるのではなく、
「公務員として何を身につけてきたのか」
と考えることだと思います。
僕自身、公務員から民間企業へ転職し、再び公務員へ戻るという経験をしました。
その過程で感じたのは、どちらの働き方にもメリットとデメリットがあるということです。
公務員が合う人もいます。
民間企業の方が合う人もいます。
一度民間企業を経験してから、再び公務員を選ぶ人もいます。
キャリアは一度決めたら終わりではありません。
だからこそ、
「公務員を辞めたら終わり」
と思い込む必要はないと思います。
不安があるなら、まず情報収集から始める。
自分の経験を書き出してみる。
そして、自分にどんな選択肢があるのかを知る。
それだけでも、今まで見えていなかった道が見えてくるかもしれません。
転職するかどうかを決めるのは、その後でも遅くありません。
焦らず、自分の経験を一度整理してみてください。
きっと、
「自分には何もない」
と思っていた中にも、次の仕事につながる経験が見つかるはずです。
あなたの転職活動が、後悔のない選択につながることを願っています。


