はじめに

「もう限界だ…」
朝、目が覚めた瞬間から仕事のことを考えてしまう。
職場に向かう電車の中で気分が重くなる。
上司や同僚の顔を思い浮かべるだけで憂鬱になる。
「今日もまたあの仕事か」
「また何か言われるんじゃないか」
そんなことを考えて、もう公務員を辞めたいと思っている人もいるのではないでしょうか。
僕自身、公務員として働いていた時に何度も辞めたいと思いました。
最初は警察事務職員として働き、その後も別の自治体で働きました。
外から見ると「安定していていい仕事」に見える公務員ですが、実際に働いてみると、安定しているからこその苦しさもあります。
前例踏襲。年功序列。やる気のない職員。変わらない組織。
一生懸命働いている人と、ほとんど仕事をしていない人の給与が大きく変わらないことに違和感を覚えたこともあります。
業務を効率化しようと思って新しい方法を提案しても、
「前例がないから」
という一言で終わってしまったこともありました。
そのたびに、
「自分はこの組織で定年まで働けるのだろうか」
と考えていました。
ただ、今振り返ると、辞めたいと思った瞬間に勢いで辞めなくてよかったとも思っています。
公務員には民間企業とは違う制度があります。
休暇制度、休職制度、異動制度など、辞める前に使える選択肢はいくつもあります。
もちろん、本当に限界なら辞めることも間違いではありません。
むしろ、無理をして心身を壊してしまうくらいなら、環境を変えることを考えた方がいい場合もあります。
この記事では、実際に公務員を経験し、休職や転職も経験した僕自身の体験をもとに、
「公務員を辞めたいと思った時に、すぐ退職する前に考えてほしいこと」
について書いていきます。
今まさに辞めたいと思っている人の参考になれば嬉しいです。
「今すぐ辞めたい!」と思っても即退職を留まるべき理由
突発的な退職は「次のキャリア」や「お金」のリスクが大きい
仕事が嫌になると、
「もう明日にでも辞めたい」
と思うことがあります。
特に人間関係が悪かったり、上司から理不尽なことを言われたりすると、その場から逃げ出したくなる気持ちは本当によく分かります。
僕も仕事中に、
「もう辞めようかな」
と思ったことは何度もあります。
特に自分なりに考えて行動しているのに、それを否定された時はかなりストレスを感じました。
公務員の仕事は組織で動くため、個人の判断だけで物事を進めることはできません。
それ自体は当然なのですが、時には、
「これ、もっと簡単にできるのでは?」
と思うことでも、何年も続いてきたやり方を変えられないことがあります。
書類を作る。
上司に確認してもらう。
修正する。
また別の上司に確認してもらう。
押印する。
さらに別の部署に回す。
今ならデータで共有すれば数分で終わるようなことでも、以前からのルールを守るために時間がかかる。
こうしたことが積み重なると、徐々に仕事へのモチベーションがなくなっていきます。
僕自身、業務効率化のために新しいやり方を提案したことがあります。
自分としては、
「これなら時間も短縮できる」
「ミスも減らせる」
と思っていました。
しかし返ってきたのは、
「今までこの方法でやってきたから」
という反応でした。
もちろん組織にはルールがあります。
勝手に変えてはいけないことも理解しています。
ただ、改善するための提案まで最初から否定されると、次第に、
「もう何をしても変わらないな」
と思うようになります。
そうすると、辞めたい気持ちはどんどん強くなります。
しかし、そこで感情のまま退職すると、後から大きな問題になることがあります。
一番大きいのは、お金の問題です。
公務員として働いている間は、毎月決まった給与が入ります。
賞与もあります。
社会保険もあります。
当たり前のように感じていたことが、退職した瞬間にすべて変わります。
次の仕事が決まっていなければ、当然ですが給与はありません。
貯金を切り崩して生活することになります。
家賃。
食費。
光熱費。
通信費。
保険料。
住民税。
退職すると、それまであまり意識していなかった支払いが一気に現実味を帯びてきます。
僕自身も、公務員を辞めることを考えた時は、
「辞めた後に本当に生活できるのか」
ということをかなり考えました。
仕事が嫌だから辞める。
それ自体は悪いことではありません。
ただ、仕事のストレスから解放された代わりに、お金のストレスが増える可能性があることは理解しておく必要があります。
だからこそ、可能であれば勢いで辞めるのではなく、
- 次の転職先を探す
- 貯金を確認する
- 毎月の生活費を計算する
- 退職後の社会保険について調べる
- 失業給付の条件を確認する
といった準備をしてから辞めることをおすすめします。
僕自身も、最終的には次の道を考えながら退職しました。
辞めること自体よりも、辞めた後にどう生きるかを考えることの方が大切だと思っています。
「辞めたい理由」を一度言語化してみる
辞めたいと思っている時は、頭の中がかなり混乱しています。
「とにかく嫌だ」
「もう行きたくない」
という感情が強くなり、
なぜ辞めたいのか自分でもよく分からなくなることがあります。
僕もそうでした。
仕事が嫌なのか。
職場の人間関係が嫌なのか。
仕事内容が合わないのか。
それとも単純に疲れているだけなのか。
これらは一見同じように見えますが、解決方法は全く違います。
例えば、人間関係だけが原因なら異動で改善する可能性があります。
仕事内容が合わないなら、別の部署に移ることで変わるかもしれません。
単純に疲れ切っているなら、まず休む必要があります。
一方で、
「公務員という働き方そのものが自分に合わない」
と感じているなら、転職を考えた方がいいかもしれません。
僕自身も最初は、
「今の部署が嫌だから辞めたい」
と思っていました。
しかし、時間が経つにつれて、
「部署だけの問題ではないかもしれない」
と感じるようになりました。
前例踏襲。
組織のスピード感。
年功序列。
個人より組織を優先する働き方。
こうした部分に違和感を覚えることが多かったからです。
そのため、ただ部署を変えるだけでは根本的な解決にならない可能性がありました。
辞めたいと思った時は、一度紙やスマホのメモに、
「自分は何が嫌なのか」
を書き出してみることをおすすめします。
例えば、
- 上司が怖い
- 電話対応が苦手
- 業務量が多すぎる
- 仕事に興味が持てない
- 給与に不満がある
- 職場の雰囲気が合わない
- 成長している実感がない
- 将来が想像できない
などです。
こうして書き出すと、
「辞めたい」ではなく「何を変えたいのか」
が見えてきます。
これは辞めるかどうかを判断する上でかなり重要だと思います。
公務員には民間にはない「手厚い権利(制度)」がある
公務員を辞める前に必ず確認してほしいのが、現在の組織で利用できる制度です。
公務員には、
- 年次有給休暇
- 病気休暇
- 休職制度
- 育児休業
- 介護休暇
- 異動希望制度
- 人事相談窓口
など、さまざまな制度があります。
もちろん自治体や組織によって内容は異なります。
そのため、必ず自分の所属する組織の規定を確認する必要があります。
ただ、僕自身は、
「辞めるしかない」
と思っていた時に、休職という選択肢を知りました。
正直、それまでは休職に対してあまり良いイメージを持っていませんでした。
「休職したら周りに迷惑がかかる」
「逃げたと思われる」
「復職しづらくなる」
そんなことを考えていました。
僕はかなり真面目に考えすぎるタイプなので、
自分が休むことで周囲に迷惑がかかることの方を気にしていました。
しかし、実際に限界を超えてしまうと、そんなことを考えている余裕はなくなります。
仕事を続けることが難しい状態になり、病院に行き、診断書をもらいました。
そこから病気休暇や休職制度を利用しました。
今振り返ると、あの時にすぐ退職するのではなく、一度立ち止まる時間を作れたのは良かったと思っています。
休職中は、
「本当に辞めるべきなのか」
「復職するべきなのか」
「別の仕事に行くべきなのか」
を考える時間ができました。
働いている最中は、毎日の仕事をこなすだけで精一杯です。
仕事に行く。
帰宅する。
寝る。
また仕事に行く。
その繰り返しの中では、自分の人生についてゆっくり考える余裕がありません。
だからこそ、もし本当に心身が限界なら、
辞める前に一度休む
という選択肢を考えてもいいと思います。
退職する前に必ず試したい「3つの選択肢」
選択肢①「部署異動」を人事に強く要望・自己申告する
公務員の仕事は、配属先によって全く違います。
同じ自治体でも、
窓口業務。税務。福祉。人事。財政。広報。企画。給与。議会対応。現場業務。
など、仕事内容は本当に幅広いです。
そのため、
「今の部署が合わない=公務員に向いていない」
とは限りません。
僕自身、複数の部署を経験しましたが、部署によって職場の雰囲気も仕事内容も全く違いました。
同じ組織なのに、
「こんなに違うのか」
と思ったこともあります。
上司によって働きやすさが変わることもあります。
ある部署では、
「休暇は積極的に取ろう」
という雰囲気がありました。
上司自身が休暇を取るタイプで、
「月に2回くらいは有給を取ろう」
と言ってくれるような職場でした。
そのような職場では、僕自身もかなり働きやすかったです。
休む時はしっかり休む。
仕事をする時は集中する。
こうしたメリハリがありました。
一方で、別の部署では全く雰囲気が違いました。
同じ公務員でも、上司や所属が変わるだけで働きやすさが大きく変わります。
だからこそ、辞めたい理由が部署固有の問題なら、異動を希望する価値はあります。
僕自身も異動について考えた時、普段から上司との会話の中で、
「将来的にはこういう仕事に興味があります」
ということを伝えるようにしていました。
いきなり人事異動の直前になって、
「この部署に行きたいです」
と言うよりも、普段から自分のキャリアについて話しておく方が伝わりやすいと感じたからです。
実際に僕の場合、昇任に伴う異動では希望していた分野に近い部署へ行くことができました。
もちろん、必ず希望が叶うわけではありません。
人事には組織全体の事情があります。
人員配置。
欠員。
経験年数。
昇任。
組織の方針。
さまざまな要素で決まります。
ただ、何も言わなければ自分の希望は伝わりません。
辞めたいと思っているなら、
「辞める前に異動という選択肢はないか」
を考えてみる価値はあると思います。
異動希望は「辞めたい」だけではなく具体的に伝える
異動を希望する時に、
「今の部署が嫌です」
だけでは、人事側も対応しにくいと思います。
僕自身が総務関係の仕事を経験して感じたのは、人事異動では、
「その人がどこに行きたいか」
だけでなく、
「なぜそこに行きたいのか」
も重要だということです。
例えば、
「人と話す仕事に興味があります」
「これまでの給与事務の経験を活かしたいです」
「広報や企画の仕事に関心があります」
など、具体的に伝えた方がいいと思います。
僕自身も、自分のキャリアを考えた時、
「なんとなく今の部署を出たい」
ではなく、
「次はこういう経験を積みたい」
と考えるようにしていました。
異動は必ず叶うものではありません。
しかし、辞める前にできることとしては比較的現実的な選択肢です。
選択肢②「病気休暇・休職制度」を使って一度完全に立ち止まる
これは僕自身が実際に利用した選択肢です。
正直、休職する前は、
「自分が休職するなんて」
と思っていました。
公務員として働いている時は、責任感もありました。
仕事を途中で放り出したくない。
周囲に迷惑をかけたくない。
できる限り自分で何とかしたい。
そう考えていました。
しかし、限界を超えると気合いや根性ではどうにもならなくなります。
仕事に行こうとしても体が動かない。
朝になると気分が悪くなる。
仕事のことを考えるだけで不安になる。
そんな状態になって初めて、
「これは頑張り方を変えないといけない」
と思いました。
僕は心療内科を受診し、診断書をもらいました。
そこから病気休暇を取得し、その後休職しました。
もちろん、これは簡単な決断ではありませんでした。
休職することに対する罪悪感もありました。
職場の人にどう思われるかも気になりました。
ただ、今振り返ると、あの時は休むしかなかったと思います。
休職中は、最初から前向きになれたわけではありません。
むしろ、
「この先どうしよう」
「復職できるのか」
「辞めたら生活できるのか」
という不安もありました。
それでも、毎日職場に行っていた時よりは、自分の人生について考える時間ができました。
僕が休職して感じたのは、
限界の状態で人生の大きな決断をしない方がいい
ということです。
心身が疲れ切っている時は、視野が狭くなります。
「辞めるしかない」
と思っていても、少し休むことで、
「異動なら続けられるかもしれない」
「別の仕事ならできるかもしれない」
と思えることがあります。
逆に、しっかり休んだ上で、
「やっぱりこの仕事には戻りたくない」
と思うこともあります。
それも一つの答えです。
大切なのは、限界の状態で無理に答えを出さないことだと思います。
休職は「逃げ」ではなく、使える制度の一つ
休職に対して、
「逃げではないか」
と思う人もいるかもしれません。
僕自身もそう考えていました。
特に真面目な人ほど、
「みんな頑張っているのに自分だけ休んでいいのか」
と考えてしまうと思います。
しかし、病気休暇や休職は制度として用意されています。
もちろん誰でも好きな時に使えるわけではありません。
必要な条件があります。
医師の診断が必要な場合もあります。
だからこそ、心身に不調を感じている場合は、まず専門家に相談することが大切です。
制度を利用することと、無責任に仕事を放棄することは違います。
僕自身、休職を経験したことで、
「自分は仕事だけで生きているわけではない」
と考えるようになりました。
仕事がすべてだと思っている時は、仕事がうまくいかなくなると人生そのものが失敗したような気がしてしまいます。
しかし、少し仕事から離れてみると、人生には他にもいろいろなものがあることに気づきます。
休職を経験したことが必ずしも良かったとは言いません。
辛い経験でした。
ただ、あの経験がなければ、自分の働き方についてここまで考えることはなかったと思います。
選択肢③ 働きながら静かに「転職活動・情報収集」を始める
辞めたいと思った時、
「転職しよう」
と考える人は多いと思います。
ただ、いきなり退職してから転職活動を始めるのはリスクがあります。
もちろん、心身が限界なら話は別です。
その場合は仕事よりも回復を優先するべきだと思います。
しかし、まだ働ける状態なら、
在職中に転職活動を始める
という選択肢があります。
僕自身も、
「今の仕事を続けるか」
「別の仕事に行くか」
を考える中で、求人を見るようになりました。
最初は転職するつもりがなくても、求人を見るだけで、
「世の中にはこんな仕事があるんだ」
と知ることができます。
公務員として長く働いていると、どうしても視野が組織の中だけになりやすいです。
自分の職場。
自分の部署。
自分の周囲。
それが世界のすべてのように感じてしまうことがあります。
しかし、外に目を向けると全く違う働き方をしている人がいます。
リモートワーク。
フレックスタイム。
副業可能。
成果主義。
少人数の会社。
大企業。
スタートアップ。
もちろん、すべてが自分に合うわけではありません。
民間企業に行けば、公務員より大変な環境もあります。
給与が下がる可能性もあります。
雇用の安定性が変わることもあります。
ただ、
「今の職場しかない」
と思わなくなるだけでも気持ちはかなり変わります。
僕自身、転職活動を始めたことで、
「最悪、ここを辞めても他の選択肢がある」
と思えるようになりました。
これは精神的にかなり大きかったです。
実際に転職しなくても構いません。
求人を見る。
転職サイトに登録する。
自分の市場価値を確認する。
こうした情報収集だけでも、
「辞めるか、残るか」だけではない選択肢
が見えてきます。
僕が公務員を辞めるまでに考えていたこと
「安定を捨てる怖さ」は想像以上に大きかった
公務員を辞めると考えた時、一番大きかったのはやはり不安でした。
公務員は安定しています。
毎月給与が入る。
賞与がある。
簡単には会社がなくならない。
福利厚生もある。
この安定を手放すのは、思っていた以上に怖いことでした。
特に周囲からは、
「なんで公務員を辞めるの?」
と言われることもあります。
世間一般では、公務員は安定した仕事というイメージが強いです。
だからこそ、辞めたいと思っても、
「こんなに恵まれた環境を辞めていいのか」
と思ってしまいます。
僕自身も何度も考えました。
しかし、外から見た「安定」と、自分が感じる「働きやすさ」は別の問題です。
給与が安定していても、毎日苦痛なら幸せとは限りません。
一方で、少し大変でも自分に合った仕事なら続けられることもあります。
結局、
何を優先するかは人によって違う
と思います。
安定を最優先する人もいます。
給与を重視する人もいます。
仕事内容を重視する人もいます。
人間関係を重視する人もいます。
僕の場合は、公務員として働く中で、
「このまま何十年も同じ働き方を続けることへの違和感」
が大きくなっていきました。
だから退職を考えるようになりました。
「辞めたい」と思う自分を責めなくていい
公務員を辞めたいと思っている人の中には、
「せっかく苦労して試験に合格したのに」
「家族にも期待されたのに」
「公務員なのに辞めたいなんて贅沢なのでは」
と思っている人もいるかもしれません。
僕自身も、
「せっかく合格したのに」
という気持ちはありました。
公務員試験の勉強もしました。
面接も受けました。
やっと入った組織です。
だから、
「辞めたいと思う自分は弱いのではないか」
と考えたこともあります。
しかし、実際に働いてみないと分からないことはあります。
仕事内容。
職場の雰囲気。
上司との相性。
組織文化。
これらは入ってみなければ分かりません。
だから、
「思っていた仕事と違った」
ということ自体は悪いことではないと思います。
大切なのは、辞めたいと思った自分を責め続けることではなく、
「じゃあ自分はどんな働き方なら続けられるのか」
を考えることだと思います。
それでも辞めると決めた時の準備とチェックリスト
生活費(最低半年分)の確保と退職金の試算
退職を決めた場合、まず確認した方がいいのがお金です。
理想を言えば、退職後すぐに収入がなくなっても生活できるだけの貯金があると安心です。
一般的には半年程度の生活費を確保しておくという考え方もあります。
ただし、必要な金額は人によって違います。
一人暮らしなのか。
家族がいるのか。
住宅ローンがあるのか。
転職先が決まっているのか。
それによって必要な金額は大きく変わります。
僕の場合、公務員を退職した時、約5年間勤務して退職金は約50万円でした。
もちろん、これは僕自身のケースです。
自治体や勤続年数によって大きく異なるため、
「公務員だから退職金がたくさんもらえる」
とは限りません。
若いうちに退職する場合は、思っていたほど多くない可能性もあります。
そのため、退職を考え始めたら、
- 自分の貯金額
- 毎月の生活費
- 退職金の見込み額
- 賞与の支給時期
- 住民税
- 健康保険
- 年金
などを一度整理しておくことをおすすめします。
僕自身も給与関係の仕事をしていた経験があるため、お金の部分はかなり気にしていました。
特に、
退職した瞬間に何が変わるのか
を理解しておくことは重要です。
公務員から公務員への転職という選択肢もある
「今の公務員の職場が嫌だから辞めたい」
という場合、必ずしも民間企業に転職する必要はありません。
別の自治体。
別の官公庁。
別の職種。
という選択肢もあります。
僕自身も、複数の公務員組織を経験しました。
同じ公務員でも、組織が変われば雰囲気はかなり違います。
仕事内容も違います。
給与体系も違います。
職員の雰囲気も違います。
そのため、
「公務員が嫌なのか、今の職場が嫌なのか」
は分けて考えた方がいいと思います。
実際、僕の知人には公務員から別の公務員へ転職した人もいます。
組織によっては勤続年数の扱いなども異なるため、給与や退職金などの制度について事前に確認する必要があります。
僕自身の経験から言うと、
一度公務員を経験していることは転職活動でも無駄になりません。
むしろ、実務経験があることで、
「実際の行政の仕事を理解している」
という強みになることもあります。
一度辞めることを決めたからといって、民間企業だけを見る必要はありません。
選択肢は広く考えた方がいいと思います。
退職の意向を伝えるタイミングとマナー
退職を決めた場合、
「いつ、誰に伝えるのか」
も悩むポイントです。
基本的には、まず直属の上司に伝えることになると思います。
ただし、組織の規定や状況によって異なるため、自分の職場のルールを確認してください。
僕の場合は、休職中に退職を決めました。
すでに職場を離れていたため、通常のように毎日顔を合わせている状態ではありませんでした。
そのため、引き継ぎなども基本的には後任の方が対応している状態でした。
退職の意思を伝える時はかなり緊張しました。
「どう思われるだろう」
「引き止められるだろうか」
と考えました。
しかし、退職すると決めたなら、最終的には自分の意思を伝える必要があります。
個人的には、退職の意思を伝える時に必要以上に細かい事情を説明する必要はないと思います。
もちろん、関係性によっては正直に話してもいいでしょう。
ただ、
「退職する意思は決まっています」
ということを明確に伝えることが大切です。
曖昧にすると、
「少し考えてみたら?」
「もう少し続けたら?」
と話が長くなることもあります。
退職すること自体は悪いことではありません。
自分の人生について考えた結果であれば、その選択をする権利があります。
退職後に感じた「公務員の良さ」と「辞めた後の現実」
辞めてから分かる公務員の良さもある
正直に言うと、公務員を辞めた後に、
「やっぱり公務員って恵まれていた部分もあったな」
と思ったこともあります。
給与の安定。
福利厚生。
休暇制度。
社会的信用。
こうしたものは、外に出て初めてありがたさを感じることもあります。
特に毎月決まった日に給与が振り込まれることは、本当に大きな安心感です。
民間企業では業績によって状況が変わることもあります。
会社によって制度も大きく異なります。
だから、公務員を辞めることを考えている人には、
「公務員の嫌な部分だけではなく、良い部分も一度整理してほしい」
と思います。
僕自身、公務員を経験したからこそ、
安定の価値を理解できました。
だからといって、
「だから絶対に辞めるな」
と言いたいわけではありません。
大切なのは、良い部分も悪い部分も理解した上で決めることだと思います。
転職すればすべてが解決するわけではない
これは僕自身、転職を経験して強く感じました。
公務員を辞める時、
「民間企業に行けばもっと自由に働けるかもしれない」
と思っていました。
もちろん、公務員にはない魅力もありました。
スピード感。
新しいことへの挑戦。
成果を重視する考え方。
こうした部分は自分に合っていると感じたこともあります。
しかし、転職すればすべてが解決するわけではありません。
民間企業には民間企業の大変さがあります。
仕事のスピード。
成果へのプレッシャー。
会社の業績。
人間関係。
転職した先にも新しい悩みが出てきます。
だからこそ、
「今の仕事が嫌だから、とにかく違う場所に行けば幸せになれる」
と考えるのは少し危険だと思います。
転職は魔法ではありません。
ただ、環境を変えることで改善することはあります。
だからこそ、転職するなら、
「何から逃げたいか」だけではなく、「どんな環境で働きたいか」
を考えることが大切です。
僕が「辞める」という選択について今思うこと
辞めることは失敗ではない
以前の僕は、
「一度入った会社は長く続けるべき」
という考え方がかなり強かったです。
特に公務員は、
「定年まで働くもの」
というイメージがあります。
周囲にも長く働いている人が多い。
同期もいる。
先輩もいる。
そういう環境にいると、
「途中で辞める自分は失敗者なのではないか」
と思ってしまいます。
しかし、今は少し考え方が変わりました。
自分に合わない環境に無理をして居続けることだけが正解ではありません。
もちろん、嫌なことがあるたびに辞めるのは違うと思います。
どの仕事にも大変なことはあります。
しかし、
努力しても改善できない環境
もあります。
自分の価値観と組織の価値観が大きく違うこともあります。
その時に環境を変えることは、必ずしも逃げではないと思います。
僕自身、公務員を辞めた経験があるからこそ、
「仕事を辞めても人生は終わらない」
ということを知りました。
辞める前はものすごく大きな決断に感じます。
しかし、実際に辞めてみると、人生は続いていきます。
新しい仕事を探すこともできます。
勉強し直すこともできます。
別の組織に挑戦することもできます。
だから、
「辞めたら終わり」
と考えすぎなくてもいいと思います。
ただし「辞める前にできること」はやっておいた方がいい
一方で、勢いだけで辞めることはおすすめしません。
僕自身の経験からも、
辞めること自体より、辞める前の準備が重要
だと思っています。
異動。
休職。
有給休暇。
転職活動。
貯金。
情報収集。
こうしたことをやった上で、
「それでも辞めたい」
と思うなら、その決断には納得しやすくなります。
逆に、何も試さずに辞めると、
「異動していたら違ったかもしれない」
「少し休めば続けられたかもしれない」
と後悔する可能性があります。
もちろん、心身が限界の場合は別です。
その場合は、まず安全と回復を優先してください。
無理をして壊れてしまってからでは遅いです。
公務員を辞める前のチェックリスト
最後に、僕自身の経験から、公務員を辞める前に確認しておきたいことをまとめます。
① 辞めたい理由を言語化できているか
「なんとなく嫌」
だけではなく、
何が嫌なのか
を整理してみてください。
仕事内容。
人間関係。
給与。
組織文化。
働き方。
原因によって対策が変わります。
② 部署異動で解決する可能性はないか
今の部署だけが原因なら、異動によって大きく状況が変わる可能性があります。
人事異動の希望を出せるなら、一度検討してみる価値があります。
③ 休暇や休職制度を確認したか
心身が限界なら、辞める前に休むという選択肢があります。
制度の内容は自治体によって異なるため、必ず確認してください。
④ 次の仕事について情報収集したか
転職サイトを見るだけでも構いません。
世の中にどんな仕事があるのかを知るだけで、視野が広がります。
⑤ 貯金と生活費を計算したか
退職後に何ヶ月生活できるのか。
毎月いくら必要なのか。
数字で確認しておくことをおすすめします。
⑥ 退職金や賞与を確認したか
退職時期によって受け取れる金額が変わることもあります。
事前に規定を確認しておくと安心です。
⑦ 「今の職場が嫌」なのか「公務員が嫌」なのか
ここはかなり重要です。
別の部署。
別の自治体。
別の公務員組織。
という選択肢もあります。
⑧ 心身が限界になっていないか
もし、
眠れない。
食べられない。
仕事のことを考えるだけで体調が悪くなる。
日常生活にも影響が出ている。
という状態なら、キャリアよりもまず自分自身を優先してください。
まとめ:選択肢を知るだけで「心の余裕」が生まれる
「公務員を辞めたい」
と思っている時は、
「辞める」か「我慢する」か
の二択しか見えなくなることがあります。
僕自身もそうでした。
しかし、実際にはそれ以外にも選択肢があります。
部署異動を希望する。
一度休む。
休職する。
働きながら転職活動をする。
別の公務員組織を受験する。
民間企業に挑戦する。
すぐに答えを出さなくてもいい。
選択肢があると分かるだけで、少し気持ちが楽になることがあります。
僕自身、公務員として働く中で何度も、
「辞めたい」
と思いました。
最終的には実際に退職も経験しました。
その経験を通して感じたのは、
辞めることよりも、自分で選べないと思い込むことの方が苦しい
ということです。
今の職場がすべてではありません。
公務員という仕事だけが人生でもありません。
もちろん、辞めずに続けることも立派な選択です。
異動して続けることもあります。
一度休んでから復職することもあります。
転職することもあります。
どれが正解かは人によって違います。
ただ一つ言えるのは、**「もう限界なのに、我慢することだけが正解ではない」**ということです。
僕も公務員を辞める時はかなり悩みました。
安定を手放す怖さもありました。
周囲の目も気になりました。
それでも、自分なりに考え、悩んだ上で選択しました。
もし今あなたが、
「もう公務員を辞めたい」
と思っているなら、まずは一度立ち止まってみてください。
勢いで辞める必要はありません。
でも、無理に我慢し続ける必要もありません。
異動。
休職。
転職活動。
そして退職。
いくつかの選択肢を知った上で、自分が納得できる道を選んでほしいと思います。
仕事は人生の一部ですが、人生そのものではありません。
公務員を続けることも、辞めることも、自分で選んでいい。
この記事が、今後の働き方を考えるきっかけになれば嬉しいです。


