公務員の昇任試験って受けるべき?【最速昇任者が解説】

公務員お役立ち

公務員として働いていると、若手職員から

「出世したくない」

この言葉を聞くことがあります。

昔は、公務員として長く働くのであれば、当然のように昇任試験を受け、少しずつ上の役職を目指していくという考え方が一般的だったかもしれません。

しかし最近は、必ずしもそうではありません。

責任が増える。

仕事量も増える。

部下を持てば、人間関係のトラブルにも対応しなければならない。

場合によっては、自分の仕事よりも部下のフォローに時間を取られることもあります。

それなのに、給料が劇的に増えるわけではない。

むしろ「今のままの方が気楽でいい」と考える人が増えるのも自然なことだと思います。

僕自身、公務員時代に昇任試験を受験し、比較的早い段階で昇任しました。

昇任する前は、

「昇任した方が給料も上がるし、仕事の幅も広がるだろう」

と考えていました。

実際に昇任してみると、その通りだった部分もあります。

一方で、

「こんなことまで責任を持たなければいけないのか」

と感じる場面もありました。

部下の仕事のフォロー。

上司と部下の間に立つこと。

自分ではコントロールできないトラブルへの対応。

昇任前には見えていなかった世界がありました。

だからこそ、今は単純に「昇任試験は絶対に受けるべき」とは思っていません。

昇任には向いている人もいます。

逆に、無理に昇任しない方が幸せに働ける人もいます。

この記事では、実際に昇任試験を受験し、昇任後の仕事も経験した立場から、

公務員は昇任試験を受けるべきなのか。

昇任すると何が変わるのか。

昇任試験にはどうやって合格すればいいのか。

について、僕自身の経験を中心に書いていきます。

これから昇任試験を受けようか迷っている人の判断材料になれば嬉しいです。


1. 最近の公務員業界で起きている「出世拒否」のリアル

① 「責任だけが増えて手当が見合わない」と感じる若手の増加

僕が公務員として働いていた頃も、昇任試験に対する考え方は人によってかなり違いました。

積極的に昇任を目指す人もいれば、

「絶対に受けたくない」

とはっきり言う人もいました。

特に印象に残っているのは、仕事ができる人ほど昇任を嫌がっているケースがあったことです。

一見すると不思議に感じるかもしれません。

仕事ができるなら、昇任した方がいいのではないか。

周囲からも期待されるのではないか。

そう思うかもしれません。

しかし本人に話を聞くと、理由はかなり現実的でした。

「今でも十分仕事が多いのに、昇任したらさらに責任が増える」

「部下の面倒まで見ることになる」

「何か問題が起きたら自分が対応しなければならない」

「給料が少し上がる程度なら割に合わない」

こうした考えです。

実際、昇任すると仕事の種類が変わります。

単純に仕事量が増えるだけではありません。

「自分が仕事をする立場」から、「他人の仕事にも責任を持つ立場」へ少しずつ変わっていきます。

これが想像以上に大きな違いでした。

僕自身、昇任して部下を持った経験があります。

昇任前は、自分の担当業務をきちんと処理すれば、基本的には自分の仕事として完結していました。

もちろんチームで協力することはあります。

しかし、最終的には自分の担当をしっかり終わらせればいい。

比較的シンプルです。

ところが昇任後はそうはいきませんでした。

部下が仕事で困っていれば相談に乗る。

ミスがあればフォローする。

期限に間に合わなければ一緒に対応する。

場合によっては、自分の仕事を後回しにして部下の仕事を優先することもあります。

正直に言えば、

「自分の仕事だけやっていた方が楽だな」

と思ったこともあります。

特に、部下のミスをフォローする場面は難しかったです。

本人に悪気があるわけではない。

しかし仕事としては修正しなければならない。

上司から見れば、自分も管理する側として責任を問われる可能性がある。

こうした立場になると、仕事に対するプレッシャーは確実に増えます。

それでも給与が劇的に増えるわけではありません。

このギャップに不満を感じる人がいるのは当然だと思います。

僕自身も、

「責任は増えたのに、給料は思ったほど変わらないな」

と感じたことがありました。

もちろん長期的に見れば、昇任を重ねることで給与には差が出てきます。

しかし、昇任直後にそのメリットを実感できるかというと、必ずしもそうではありません。

だからこそ、最近の若手が「昇任したくない」と考えることは、決して怠けているわけではないと思います。

むしろ、自分の人生を冷静に考えた結果なのかもしれません。


② 昇任試験を「あえて受けない」という選択肢の広がり

公務員の世界には、ある程度の年齢になると昇任試験を受けるという暗黙の空気がある職場もあります。

上司から、

「そろそろ受けないの?」

と言われることもあるでしょう。

僕自身も、周囲から昇任試験について話をされる機会がありました。

しかし実際には、昇任試験を受けない人もたくさんいます。

それは決して珍しいことではありません。

僕の周囲にも、

「管理職にはなりたくない」

「今の仕事量で十分」

「家庭との時間を優先したい」

という理由で、昇任試験を受けない人がいました。

特に公務員の場合、昇任しなくても仕事を続けることはできます。

民間企業のように、昇進しなければ居場所がなくなるというケースは比較的少ないでしょう。

そのため、

「あえて昇任しない」

というキャリアの選択ができることも、公務員の特徴の一つだと思います。

僕はこの選択を悪いことだとは思いません。

人生で何を優先するかは人それぞれだからです。

収入を増やしたい人もいる。

仕事で大きなことを成し遂げたい人もいる。

一方で、

家族との時間を大切にしたい人。

趣味を楽しみたい人。

仕事のストレスを増やしたくない人。

こうした人にとっては、無理に昇任することが正解とは限りません。

実際、僕の周囲にも昇任しないことで、自分の仕事量をある程度コントロールしている人がいました。

もちろん役職が上がらなければ、将来的な給与には差が出る可能性があります。

しかし、

「給料が多少少なくても、責任の少ない働き方を選びたい」

という考え方も十分ありだと思います。

大切なのは、周囲の空気に流されないことです。

「みんな受けているから」

「上司に勧められたから」

という理由だけで昇任試験を受けると、昇任後に後悔する可能性があります。

僕自身は昇任してよかったと思っています。

しかし、それは僕にとって「組織全体がどう動いているのかを知りたい」という気持ちがあったからです。

もし単純に、

「周囲に言われたから」

という理由だけで受験していたら、昇任後に違う感想を持っていたかもしれません。


2. 出世(昇任)することのメリット・デメリット

① メリット:生涯年収のアップ・予算や事業を動かすやりがい

昇任する最大のメリットの一つは、やはり給与です。

公務員の給与体系は基本的に年功的な要素がありますが、役職が上がれば役職に応じた給与体系になります。

長い目で見ると、昇任するかしないかで生涯年収には大きな差が出る可能性があります。

若いうちは、

「少しくらい給料が上がっても変わらない」

と感じるかもしれません。

しかし10年、20年と働き続けることを考えると話は変わります。

基本給。

役職手当。

ボーナス。

退職金。

こうしたものに影響する可能性があるからです。

特に公務員は長く勤めることを前提とした働き方なので、若いうちの小さな差が将来的には大きくなることがあります。

ただ、僕が昇任して一番大きく感じたメリットは、お金だけではありませんでした。

「仕事の見える範囲が広がったこと」

です。

昇任前は、基本的に自分の担当業務を見ることが中心でした。

例えば給与を担当していれば、給与関係の仕事。

旅費を担当していれば、旅費関係の仕事。

自分の担当を正確に処理することが最優先です。

しかし昇任すると、少しずつ視点が変わってきます。

自分の仕事だけではなく、

「この係全体では何をしているのか」

「上司はどんなことを考えているのか」

「予算はどう決まるのか」

「他の部署とどのように調整しているのか」

といったことが見えてくるようになります。

僕はこの感覚が面白かったです。

公務員の組織は大きいため、一人の職員が組織全体を見ることは簡単ではありません。

しかし昇任すると、少しずつ組織の仕組みが見えるようになります。

例えば、なぜこの仕事をやっているのか。

なぜ上司はこの判断をしたのか。

なぜ他部署との調整に時間がかかるのか。

昇任前は、

「なんでこんな面倒なことをしなければならないんだ」

と思っていた仕事でも、全体像を知ると理由が理解できることがあります。

もちろん、理解しても納得できないことはあります。

そこは公務員あるあるです。

それでも、組織がどう動いているのかを知ることは、自分の仕事への理解を深めることにつながりました。

僕自身、

「組織の中でどのように意思決定がされているのか知りたい」

という気持ちがありました。

そのため、昇任したことで仕事の見え方が変わったのは大きな収穫だったと思っています。

また、周囲からの見られ方も少し変わります。

役職がつくことで、後輩から相談を受けることが増えたり、会議に参加する機会が増えたりします。

以前よりも責任のある仕事を任されることもあります。

人によっては、

「自分が組織の役に立っている」

という実感につながるかもしれません。

僕自身も、昇任したことで仕事の幅が広がったことは間違いありません。

自分一人では経験できなかった仕事にも関わることができました。

その意味では、昇任してよかったと思っています。


② デメリット:議会対応・管理責任・残業手当(超勤手当)の対象外に

一方で、昇任には明確なデメリットもあります。

一番大きいのは、

責任が増えること

です。

これは間違いありません。

昇任前は、自分の仕事に責任を持つことが中心です。

しかし役職が上がると、部下の仕事にも責任を持つ必要があります。

部下がミスをした。

期限を守れなかった。

住民からクレームが入った。

上司から急な指示が出た。

こうした問題に対応するのも仕事になります。

自分が直接ミスをしたわけではなくても、管理する立場として対応しなければならないことがあります。

これは精神的に負担が大きいです。

僕自身も部下を持った経験がありますが、

「自分一人で仕事をしていた方が楽だったな」

と思ったことは正直あります。

自分の仕事だけなら、努力すればある程度コントロールできます。

しかし人はコントロールできません。

仕事のスピードも違う。

考え方も違う。

モチベーションも違う。

その中でチームとして仕事を進める必要があります。

これは想像以上に難しいです。

また、さらに上の管理職になると、議会対応や住民対応なども増えていきます。

自治体によって違いますが、管理職になると、

議会対応。

議員への説明。

住民説明会。

部下の労務管理。

予算管理。

トラブル対応。

といった仕事が増えます。

現場で仕事をするというより、

「問題が起きないように管理する」

という仕事の割合が増えていきます。

ここにやりがいを感じる人もいれば、苦痛に感じる人もいます。

僕の父親も公務員で管理職を経験しています。

父親から聞いた話で印象に残っているのが、残業代についてです。

管理職になると、時間外勤務手当の対象外になるケースがあります。

その代わりに管理職手当が支給されます。

しかし、働き方によっては、

「残業代をもらっていた頃の方が給料が高かった」

ということもあり得ます。

もちろん給与だけで管理職になるわけではありません。

しかし、責任は大きくなる。

勤務時間も増える可能性がある。

それなのに収入面で大きなメリットを感じられない。

そうなると、

「なんのために昇任したんだろう」

と思う人が出てくるのも理解できます。

僕自身も昇任後、責任と給与のバランスについて考えることがありました。

だからこそ、昇任試験を受ける前には、

「自分は何のために昇任したいのか」

を一度考えておくことをおすすめします。

給料を上げたいのか。

組織を動かしたいのか。

仕事の幅を広げたいのか。

周囲から期待されているからなのか。

理由は人それぞれです。

ただ、理由がないまま昇任すると、責任だけが重く感じる可能性があります。


3. 僕が昇任試験を受けようと思った理由

① 単純に「もっと上の仕事を知りたかった」

僕が昇任試験を受けた理由は、そこまで立派なものではありません。

一番大きかったのは、

「もっと組織の仕組みを知りたい」

という気持ちでした。

公務員として働いていると、自分の担当業務は理解できるようになります。

最初は何も分からなかった仕事でも、数年経てばある程度一人で処理できるようになります。

すると次第に、

「この仕事は誰が決めているんだろう」

「この予算はどうやって決まっているんだろう」

「上司はなぜこの判断をしたんだろう」

といった疑問が出てきます。

僕はもともと、仕事の全体像を知りたいタイプでした。

自分に与えられた仕事だけを淡々とこなすよりも、

「この組織はどうやって動いているのか」

を知ることに興味がありました。

昇任すれば、必ずしも希望する仕事ができるわけではありません。

しかし、少し上の立場になることで見える景色は変わると思っていました。

実際に昇任してみると、その感覚は間違っていませんでした。

会議に参加する機会。

他部署と調整する機会。

上司と直接話す機会。

後輩を指導する機会。

昇任前とは違う経験が増えました。

もちろん大変なことも増えました。

しかし、

「公務員という組織の中で、上の立場の人が何を考えているのか」

を知ることができたのは、自分にとって大きな経験でした。


② 周囲から期待されていたことも大きかった

昇任試験を受ける際、周囲からの期待もありました。

上司から過去問をもらったり、試験について教えてもらったりしたこともあります。

公務員の職場では、上司が部下のキャリアをある程度考えているケースがあります。

特に、

「この人には将来的に上に行ってほしい」

と思われている場合、昇任試験を勧められることもあります。

僕の場合も、周囲からのサポートがありました。

もちろん、それだけで合格できるわけではありません。

しかし、

「周囲が応援してくれている」

という感覚は、勉強を続けるモチベーションになりました。

昇任試験は、仕事をしながら勉強する必要があります。

平日の仕事終わり。

休日。

限られた時間で勉強する必要があります。

正直、面倒です。

仕事で疲れて帰ってきて、

「今から論文の勉強をするか」

と思える日は多くありません。

それでも、

「せっかく期待してもらっている」

「受けると決めたからには合格したい」

という気持ちが勉強を続ける力になりました。


4. 昇任試験の勉強法と合格する人の特徴

① 過去問を手に入れることが一番重要だった

僕が昇任試験の対策をする上で、一番効果があったと思うのは、

過去問を手に入れたこと

です。

昇任試験の問題は、毎年まったく同じというわけではありません。

しかし、出題されるテーマや傾向にはある程度共通点があります。

特に面接では、

「なぜ昇任したいのか」

「昇任したらどんな職員になりたいか」

「部下がミスをしたらどうするか」

「上司と部下の意見が対立したらどうするか」

など、聞かれやすいテーマがあります。

僕の場合、上司に過去の問題を見せてもらいました。

これは本当に大きかったです。

何も知らずに、

「とりあえず昇任試験の勉強をしよう」

と思っても、何から始めればいいのか分かりません。

しかし過去問を見ることで、

「この試験では何が求められているのか」

が見えてきます。

すると勉強の方向性が決まります。

僕はまず、過去問を確認しました。

そして、

「この質問はどう答えるか」

「このテーマなら自分の経験で何を話せるか」

を考えていきました。

特に面接は、完全な暗記よりも、

自分の経験を整理しておくこと

が重要だと思います。

例えば、

「部下との関係で大切なことは何ですか」

と聞かれた場合。

教科書通りに、

「コミュニケーションを大切にします」

と答えることは簡単です。

しかし、それだけでは印象に残りません。

自分自身の経験を入れた方が説得力があります。

例えば、

「以前、自分が後輩だった時に、相談しやすい上司がいました。その経験から、部下が相談しやすい環境を作ることを大切にしたいと考えています」

といった形です。

自分の経験が入ることで、その人自身の考えになります。

僕も回答を考える時は、

「模範解答を作る」

というより、

「自分だったらどう考えるか」

を意識していました。

その方が面接でも話しやすかったです。


② 論文対策は「型」を作っておく

昇任試験では論文がある場合も多いです。

論文と聞くと苦手意識を持つ人も多いと思います。

僕も最初は、

「何を書けばいいんだ」

と思いました。

しかし、ある程度の型を作ると書きやすくなります。

例えば、

① 現状の課題

↓

② なぜその課題が起きているのか

↓

③ 解決策

↓

④ 自分が昇任後にどう行動するか

という流れです。

テーマが変わっても、この基本構造は使えます。

例えば、

「職場のコミュニケーションについて」

というテーマなら、

まず現在の課題を書く。

次に原因を書く。

そして改善策を書く。

最後に、自分が管理する立場になったらどうするかを書く。

この流れです。

重要なのは、立派な文章を書くことではないと思います。

昇任試験の論文では、

「管理する立場として考えられているか」

が見られている可能性があります。

そのため、自分一人が頑張るという話だけでは不十分な場合があります。

例えば、

「自分が残業して仕事を終わらせます」

ではなく、

「業務分担を見直し、チーム全体で業務量を平準化します」

といった視点が必要になります。

僕もこの部分を意識していました。

昇任前の考え方と、昇任後に求められる考え方は違います。

昇任前は、

「自分の仕事を確実に終わらせる」

ことが重要です。

しかし昇任後は、

「組織やチーム全体をどう動かすか」

という視点が必要になります。

この視点を論文や面接に入れることで、回答の質は変わると思います。


③ 面接対策では「完璧な答え」を作りすぎない

昇任試験の面接対策で、個人的におすすめしないのが、

回答を一字一句暗記すること

です。

もちろん準備は必要です。

しかし、丸暗記すると少し質問の角度が変わっただけで答えられなくなります。

僕も面接対策では、回答を完全に覚えるというより、

「この質問ならこの経験を話す」

という形で準備していました。

例えば、

部下育成について聞かれたらこの経験。

上司との関係について聞かれたらこの経験。

仕事のミスについて聞かれたらこの経験。

というように、自分のエピソードを整理しておきます。

すると、質問が少し変わっても対応できます。

また、面接では、

「昇任したい気持ち」

を自分の言葉で伝えることも重要だと思います。

「組織に貢献したいです」

という言葉だけでは、誰でも言えます。

しかし、

「今までこういう経験をして、こういう課題を感じた。だから昇任してこういうことをしたい」

という流れで話せば、説得力があります。

僕も自分が実際に感じたことをベースに回答を考えました。

無理に立派な人間になろうとする必要はありません。

むしろ、

「この人は実際に仕事を理解しているな」

と思ってもらえる方が大切だと思います。


5. 昇任試験は日常業務の評価も重要だと感じた

① 試験直前だけ頑張っても評価は作れない

昇任試験というと、

筆記試験。

論文。

面接。

だけをイメージする人も多いと思います。

もちろん試験対策は重要です。

しかし僕自身は、

日頃の仕事ぶりもかなり重要だった

と感じています。

公務員の組織では、上司が普段の仕事を見ています。

仕事を期限までに終わらせているか。

報告・連絡・相談ができているか。

周囲と協力できているか。

困った時に相談できるか。

こうした積み重ねが評価につながります。

僕の場合、普段から上司への報連相を意識していました。

特別なことではありません。

むしろ基本的なことです。

しかし、この基本を続けることが意外と難しい。

忙しくなると、

「これくらいなら報告しなくてもいいか」

と思ってしまいます。

しかし、小さな問題でも早めに共有しておく方が後々楽です。

上司からしても、

「何を考えているか分からない部下」

より、

「適切に相談してくれる部下」

の方が仕事を任せやすいと思います。

僕自身、上司との関係は昇任試験にも間接的に影響していたのではないかと感じています。


② 表彰やボーナス加算など、日頃の評価も自信になった

僕の場合、仕事をしている中で表彰を受けたり、ボーナスの加算をいただいた経験がありました。

もちろん、それだけで昇任試験に合格したわけではありません。

しかし、

「普段の仕事がある程度評価されている」

という自信にはなりました。

昇任試験は緊張します。

特に、

「自分なんかが受けてもいいのかな」

と思う人もいるでしょう。

僕も全く不安がなかったわけではありません。

しかし日頃の仕事をきちんとやっていれば、

「少なくとも何もしていないわけではない」

と思えます。

その自信は面接にも影響すると思います。

昇任試験は、突然現れるイベントではありません。

日頃の仕事の延長線上にあるものだと考えた方がいいと思います。

試験の数ヶ月前だけ頑張るのではなく、

普段から仕事を丁寧にする。

上司に相談する。

後輩の面倒を見る。

チームで協力する。

こうした経験が、結果的に論文や面接の材料になります。

実際、僕も面接で話す内容の多くは日常業務から生まれました。

特別な経験をする必要はありません。

普段の仕事の中で、

「何を考えたか」

「どう行動したか」

を振り返っておくことが重要です。


6. 昇任して初めて分かった「部下を持つ難しさ」

① 自分と同じようには働いてくれない

昇任してから一番難しいと感じたのは、人を管理することでした。

自分の仕事だけなら、ある程度努力で何とかなります。

時間をかける。

勉強する。

確認する。

これで改善できることが多いです。

しかし、部下はそうはいきません。

自分と同じスピードで仕事をするとは限らない。

自分と同じ考え方をするとは限らない。

自分と同じモチベーションを持っているとも限らない。

当たり前のことですが、実際に部下を持つと難しさを感じます。

僕自身、

「自分だったらこうするのに」

と思うことがありました。

しかし、それをそのまま押し付けても上手くいきません。

相手には相手のやり方があります。

理解するスピードも違います。

得意なことも違います。

そこを考えながら仕事を任せる必要があります。

これは想像以上に難しかったです。

昇任前は、

「仕事ができる人が上司になればいい」

くらいに考えていました。

しかし実際には、

仕事ができることと、人を動かせることは別

だと感じました。

自分で仕事をする能力。

人に仕事を任せる能力。

人を育てる能力。

これらは別のスキルです。

昇任すると、後者が求められる場面が増えていきます。


② 部下のミスをどう扱うかは難しい

部下がミスをした時も難しいです。

怒ればいいわけではありません。

かといって何も言わなければ、同じミスを繰り返す可能性があります。

僕自身も、

「どこまで指摘するべきか」

を悩んだことがあります。

強く言えば萎縮するかもしれない。

優しく言いすぎれば改善されないかもしれない。

このバランスが難しい。

そこで僕が意識していたのは、

人格ではなく、仕事について話すこと

でした。

「なんでこんなこともできないの」

ではなく、

「この部分はこうするとミスが減ると思う」

と伝える。

当たり前のことですが、感情的になると忘れがちです。

特に自分が忙しい時ほど、余裕がなくなります。

しかし、昇任すると、

自分の感情をコントロールすることも仕事

になります。

これも昇任前にはあまり意識していなかったことでした。


7. それでも僕が昇任してよかったと思う理由

① 組織を見る視点が変わった

昇任して一番よかったと思うのは、やはり視点が変わったことです。

以前は、

「なんで上司はこんな指示をするんだろう」

と思っていたことがあります。

しかし少し立場が変わると、上司にも上司なりの事情があることが見えてきます。

さらに上から指示が来ている。

予算上の制約がある。

他部署との調整が必要。

住民や議会への説明が必要。

一つの仕事を進めるためには、いろいろな事情があります。

もちろん、それを知ったからといって全て納得できるわけではありません。

理不尽だと思うこともあります。

しかし、

「組織はこういう構造で動いているんだ」

と理解できたことは大きかったです。

もし昇任していなければ、ずっと自分の担当業務だけを見ていたかもしれません。

それはそれで悪いことではありません。

ただ僕にとっては、全体像を知ることが面白かった。

だから昇任してよかったと思っています。


② 周囲との関係性も変わった

昇任すると、後輩から相談されることも増えます。

最初は、

「自分が人に教える立場なのか」

と思いました。

自分自身も完璧ではありません。

分からないこともあります。

それでも後輩から質問される。

相談される。

この経験は、自分自身の成長にもつながりました。

人に説明するためには、自分が理解していなければなりません。

質問されて答えられなければ、調べる必要があります。

結果的に、自分の知識も増えました。

また、

「自分一人で仕事をするだけではなく、周囲が働きやすい環境を作る」

という視点を持てるようになったのも大きな変化でした。

これは昇任前にはあまり考えていなかったことです。


8. 昇任試験を受けた方がいい人・慎重に考えた方がいい人

① 昇任試験を受けることをおすすめしたい人

僕が昇任試験を受けることをおすすめしたいのは、まず、

組織を動かすことに興味がある人

です。

自分の仕事だけではなく、

「この部署をもっと良くしたい」

「業務を改善したい」

「後輩を育てたい」

という気持ちがある人には、昇任は向いていると思います。

また、

収入を長期的に増やしたい人

にも昇任は選択肢になります。

公務員として長く働く予定であれば、昇任による給与面のメリットは無視できません。

さらに、

責任のある仕事を経験したい人

にもおすすめです。

プレッシャーは増えます。

しかし、その分だけ経験できることも増えます。

僕自身も、昇任したことで仕事の幅が広がりました。

その経験は、その後のキャリアを考える上でも役立っています。


② 無理に昇任しなくてもいい人

一方で、

今の働き方に満足している人

は、無理に昇任する必要はないと思います。

仕事よりも家庭を優先したい。

趣味の時間を大切にしたい。

責任の重い仕事をしたくない。

こうした考え方は全く悪くありません。

むしろ、自分の人生を考えた結果です。

また、

周囲に言われたから受ける人

も一度考えた方がいいと思います。

上司に勧められる。

同期が受ける。

年齢的にそろそろ。

こうした理由だけで昇任すると、後悔する可能性があります。

昇任後は簡単に元の立場には戻れません。

だからこそ、

「自分はなぜ昇任したいのか」

を考えることが重要です。

答えが、

「なんとなく」

なら、今は受けなくてもいいかもしれません。

昇任試験を受けることが人生の正解ではありません。

受けないことも立派な選択です。


9. 僕が昇任試験を受ける前に知っておきたかったこと

① 昇任は「偉くなること」ではなく仕事が変わること

若い頃の僕は、昇任について、

「上に行くこと」

くらいのイメージしかありませんでした。

しかし実際には違いました。

昇任は、

仕事の内容が変わること

です。

自分で処理する仕事から、人に任せる仕事へ。

自分の責任から、チーム全体の責任へ。

現場を見る立場から、組織を見る立場へ。

この変化を楽しめるかどうかが重要だと思います。

単純に肩書きが欲しい。

周囲から評価されたい。

という理由だけでは、昇任後に苦しくなる可能性があります。

僕自身も昇任してから、

「思っていたより人の仕事を見る時間が多いな」

と感じました。

これは実際に経験しないと分からなかったことです。


② 昇任しなくてもキャリアは作れる

公務員の世界では、昇任しないとキャリアアップできないと思っている人もいるかもしれません。

しかし、必ずしもそうではありません。

専門性を高める。

特定の分野で経験を積む。

異動希望を出す。

資格を取得する。

公務員の中でも、いろいろなキャリアがあります。

昇任だけがキャリアではありません。

僕の周囲にも、役職はそれほど高くなくても、

「この人に聞けば何でも分かる」

という職員がいました。

そういう人は組織にとって非常に重要です。

だから、

「昇任しない=成長しない」

ではありません。

自分に合った働き方を選ぶことが大切です。


まとめ:昇任試験を受けるかは「自分の人生の優先順位」で決めよう

公務員の昇任試験を受けるべきか。

この質問に、全員共通の答えはありません。

僕自身は昇任してよかったと思っています。

組織の仕組みを知ることができた。

仕事の幅が広がった。

部下を持つ経験ができた。

以前とは違う視点で仕事を見ることができた。

こうした経験は、自分にとって大きな財産になりました。

一方で、昇任すれば楽になるわけではありません。

むしろ、

責任は確実に増えます。

部下の仕事。

トラブル対応。

上司との調整。

組織全体の課題。

自分だけでは解決できない問題に向き合う機会も増えます。

給与についても、すぐに大きく増えるとは限りません。

だから、

「周囲が受けるから」

「上司に言われたから」

という理由だけで昇任試験を受けることはおすすめしません。

僕が一番大切だと思うのは、

「自分はどんな働き方をしたいのか」

を考えることです。

収入を増やしたいのか。

組織を動かしたいのか。

管理職を目指したいのか。

専門性を高めたいのか。

家族との時間を優先したいのか。

仕事の責任を増やしたくないのか。

どれも間違いではありません。

僕は、

「組織がどう動いているのか知りたい」

という気持ちがあったため、昇任してよかったと思っています。

また、昇任することで周囲からの信頼度が上がり、以前より相談を受けることも増えました。

その経験を通して、自分自身も成長できたと感じています。

もしあなたが、

「もっと責任のある仕事をしてみたい」

「組織全体を見てみたい」

「将来的に管理職を目指したい」

と考えているなら、昇任試験に挑戦する価値は十分あると思います。

逆に、

「今の働き方を大切にしたい」

「責任よりも自分の時間を優先したい」

と思うのであれば、無理に受ける必要はありません。

公務員人生は長いです。

昇任することも選択。

昇任しないことも選択。

大切なのは、周囲の期待ではなく、

自分の人生にとってどちらが納得できるか。

僕自身、昇任してみたからこそ分かったことがたくさんありました。

迷っている人は、まず自分が昇任した後の姿を想像してみてください。

その姿に少しでもワクワクするなら、挑戦してみる価値はあると思います。

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